主人公の際立った善性が輝く異能もの

人と人とを引きつけ、つなぎ、時には仲違いさせる「言葉」。
その言葉を、それも他人の言葉を、操れる者がいたとしたら……?
本作はそんな言葉を操る異能者たちの物語です。

報道なら、言ってもいないことを言ったことにしたり、内容を捻じ曲げたり、というのは良く見かける話ですが、本当の異能者たちは、本人が発する言葉そのものを捻じ曲げてしまう、本物たちです。
そんな危険な能力を手にした主人公ですが、他人の人生を変えてしまうことに後ろめたさがあって、なかなかその能力を使うことができません。
悪党を相手にした「そこはやるところだろ!?」というところでも一歩踏み出せない彼の、人の言葉を捻じ曲げるという悪の重たさを知っているところが大変魅力的です。
キラキラした魅力的な異性たちがいるハーレムものではありませんけど、その主人公の善良さに一見の価値があります。
次回作も楽しみですね。

その他のおすすめレビュー

Aki(IP)さんの他のおすすめレビュー53