人が為のアルステート 〜【虚飾】の罪と聖なる乙女〜

アスファルト斬りつけ侍

第1話 君がためのオラクル

 朝、僕は目を覚ます。

教会にある一室の中には一人の少年がベッドの上で寝転んでいた。

小さな部屋の窓からは外から漏れ出た光が輝き、

部屋の外からは香ばしい良い匂いがしている。

「…おはよ、僕。」


僕の名前はアルス・ゼオ、17歳。

この街…城塞都市アルシオで生まれ、教会で育った健全な男子…だと自分では思ってる。

「ふぁぁ…うぅ、まだ眠い…」

昨日、夜ふかしをしてまで

本を読んでいたためか、眠気がなかなか取れない。まだ熱の残るベッドで寝たいと思ったが、外からする良い匂いが、僕のお腹をグゥと鳴らす。

「眠いけど…お腹空いちゃったな…」


僕はベッドから出て、部屋にある鏡の前で「しゃっきりしろゼオ。そんなんじゃシスターに愛想つかされちゃうぞ!」


寝間着から着替え、部屋の外に出る。


部屋の中からでも分かったいい匂いがより一層強くなり、僕はお腹が鳴る。

「朝ごはん♪朝ごはん♪」


部屋の近くにある見慣れた階段を降りると、何人かの子供たちと老夫婦、そしてゼオと同年代の女の子が朝ごはんを食べていた。


「おや、今日はずいぶんとねぼすけだね、ゼオ?いい夢は見れたかい?」とおじいさんは話しかけてきた。


「おはようございます、神父様…昨日ちょっと夜ふかししちゃって…」


「そうかそうか、ゼオの事だろうから本を読んでいたんだろう?勉強熱心な事だ。まぁ座りなさい、朝ごはんが冷めてしまうぞ?」


「はい、神父様!僕もうお腹ペコペコで…」

僕は言いながら、いつもご飯のときに座っている席に座る。


食卓には白いパンと野菜スープが近くにあり、そしてソーセージと目玉焼きが大皿で盛り付けられていた。


途中

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