えぴそーど、じゅうに。さいえんすがすきなようじょ。

 

 こんにちは。猫田パナです。


 だいぶご無沙汰してしまいました。最後に更新してから一年以上経ってますね。

 ありがたいことにお友達から「もうあのエッセイは書かないの? 読みたい!」とリクエストをいただいたので、久々に書いてみたいと思います。


 我が家の褐色で怒り顔の幼女は、現在三歳。私自身が日本人女性としてはマックスに近い程度の長身なのですが、娘も私に似たのか、成長曲線のマックスに重なる程度に背が高く、幼児のわりにヒョロンとしています。


 そして私と夫は宇宙とか恐竜とか海が大好きなのですが、娘も似たのか星と恐竜とお魚が大好きな子供に成長しています。

 去年のクリスマスプレゼントは卵の化石から恐竜のフィギュアを発掘するおもちゃだったし、ネトフリやアマプラでも恐竜の動画を見せろ、地球のはじまりの動画を見せろ、魚のドキュメンタリーを見せろ、ばっかり言ってきます。

 今や恐竜の名前に関しては私よりも詳しく、家に転がるいくつもの恐竜のフィギュアを手に取って「これって何って言う恐竜だっけ……」と素でたずねると「それはスティラコ(サウルス)だお」と教えてくれます。


 そんな娘はおままごとも大好きなのですが、娘とおままごとをする時には恐竜のフィギュアを使っておままごとをすることになります。


「ママ、パキケファロ持って。パナ子はブラキオとトリケラやるから」

「はいはい」


 手渡されたパキケファロサウルスは、一昨年のクリスマスプレゼントに買った「ココちゃん」という可愛いお人形用のファンシーなワンピースを着せられています。頭突きに特化したまんまるいパキケファロサウルスの頭、ゴツゴツの皮膚にとかげのような顔。そこに全く似つかわしくない、ピンクのお袖がついたライトイエローのワンピース。


「みんなー、ご飯の時間ですよー」

 パキケファロママが呼ぶと恐竜が寄ってきます。

「わーい、ごはんだ」

「ぼく、おさかなだいすきだお」

「あたしはハッパたべるー」

 娘はそう言いながら恐竜のフィギュアをブロックで作ったテーブルのまわりに集めていきます。もぐもぐ、もぐもぐもぐ……。

「はい、ご飯食べたら公園に行きますよー」

「はーーい!」


 そうして恐竜の一行は、ご飯を食べ、公園に行き、またご飯を食べて、お風呂に入って、寝て……。また起きて、ご飯を食べて……。

 そればかりを繰り返します。娘の生活パターンにはそれしかないから、永遠にその物語が続くのです。


――ねっむ!

 正直、十分も経つと既に睡魔に襲われ始めます。それでも何とか頑張って、十五分、二十分……。


「マーマ! マーマ! 寝ないで! 寝ないで!」


――はっ。

 気づくと、ボーっとして娘の話を聞いていない状態になっています。

「あっ、ごめんごめん。えーっと……」

 もう、ご飯も食べたくない。お風呂に入りたくない。ピクニックにも行きたくない……!


「大変だ! 大変だああああああ!」

 私はアンパンマン号に乗せたアンパンマンと、ミニカーのパトカーや救急車を走らせました。

「いったい、どうしたんだい?」

 娘は突然の展開に興奮をおさえきれません。

「台風だあああ! もうすぐ台風が来るううう! 安全な場所に隠れるんだああああ!」

「それはたいへんだっ!」

 娘は大慌てで、恐竜たちをテーブルの下に避難させます。

「ぶおおおお! ぶおおおおおおおおおっ!」

 私は、らせん状の模様が描かれたグルグル回るおもちゃを走り回らせます。

「台風だぜえええええ! いええええええええあ!」

「きゃー、こっちこないでよぉ」

「だいじょぶ、てーぶるのしたは、あんぜんだお」

 娘の恐竜たちは怖がりながらも慰め合い、なんとか耐えている様子。

 そしてそのうち危険な台風は去り、恐竜の街にも平和が訪れましたとさ。


 というような小芝居をしていたら、娘は危険な自然災害にも強い興味を持つようになってしまったのです。

 最初は何についても知ることは大事だから、と台風や火山の噴火の動画を見せて説明していましたが、娘は台風と火山のことも好きになってしまいました。


「マーマ! マーマ! パナ子台風の動画が見たいよお!」

「あのね、これはそんなに……見たがるようなものではなくって……」

「みーせーてー! みーせーてーー!」


 今や娘が一番好きな動画は、歴代の日本に上陸した台風の勢力ランキングの動画です。日本地図の上に台風がグルグル渦巻き「伊勢湾台風・1959年・895ヘクトパスカル」という男性のナレーションが淡々と続く動画を、娘は瞳を輝かせながら見ています。


 ……これで、良かったんでしょうか。軌道修正の方法がわかりません。


 そんな感じで育児がうまく出来ているとは言い難いですが、娘も私もおかげさまで平和に暮らしております。



 そして、私のカクヨムだけを見てくださっている方も少数ながらいらっしゃるかもしれないので一応ご報告いたしますと、私、第四回富士見ノベル大賞を昨年秋に受賞いたしました! びっくりです!

 カクヨムではこのエッセイと、人に見られることを意識して文章を書くための練習も兼ねていくつかの短編を投稿してきましたが、長編はまだ投稿したことがありませんでしたね。

 私はもうかれこれ十年程前から、長編小説を書いては賞に応募してきました。最初はひっそりと誰にも内緒で書いて応募して……。長い年月の中で、少しずつですが自分に自信が持てるようにもなってきて、周りの人にも「小説を趣味で書いているんだ」と言えるようになってきて。

 だけど本当はずーーーーーーーっと、小説家になりたい! という熱い熱い熱い想いが胸に胸にたぎたぎたぎっておったわけです。まさかその願いが、大好きだったカルビ肉が脂っこくて思うようには食べられなくなった頃になって叶うとは。生きてるうちに願いが叶って良かったネ!(ネ! に感じる昭和感)


 というわけで、まだ少し時間はかかりますが、そのうち本という形で皆さんにお会いできるかもしれません。

 その時はまたお知らせさせてもらいますね!


 それでは、またお会いしましょう!

 まだまだ大変な世の中が続いていますが、皆さんが健康に過ごされますように。

 

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