当事者になって、初めて知ることが沢山あります。
幽霊の存在もその一つ。
それは世間一般のような恐怖の対象なのか、一人ぼっちになった主人公の話し相手なのか。
当たり前の毎日が当たり前ではなくなった時、自分の生き方を自分で決めなくてはならなくなった時。
自分の部屋だけで暮らしていた生活から、外に出ることを余儀なくされる時。
必死の思考と決断の先に見える未来は、果たして皆が望む未来なのか。
そして、どうして家族が死ななければならなかったのか。
それらをぜひ、読み手はご自身の目で確かめて欲しいと思います。
※領地をめぐる家同士の駆け引きが苦手な方でもさっくり読めます。読めました。
※59話もある!と思った方、ご安心ください。1話あたりの文字数は多くありません。読めました。
領主として領民から信頼を得る立派な父と、後継者として育てられた兄がいたため、主人公は、自由気ままに、自領での暮らしを、本を読むことで謳歌していた。
そこに、納税のために王都に向かった、父と兄が乗る船が難破した……との悲報が、主人公の元に届けられる。
悲嘆に暮れる主人公にのしかかるのは、急ぎ領主の代行。兄任せにしていた領主の後継。そして、完遂していない納税。
それらの重圧に負け、一度は、領外への逃亡を画策する主人公だったが……。
領主としての責任と、領民を護るという義務に、震える膝を無理やり押さえて立ち上がる、その主人公の姿は凛々しいけれど、些か頼りない。
その志を認めて、父に請われて戻ってきた幽霊の助けを借りながら、立派な領主になろうとする姿は、読んでいて、きっと応援したくなると思うのです。
落ちついた物語の進行は、おとなの人たちでも、楽しく読めると思います。
転生や無双に飽きた……という読者の皆さま。たまには、本格的なファンタジー、如何でしょう。
まず、読みやすくて面白い!
この世界、領主には必ず領地運営を補佐する「幽霊」と言う守護者が存在ます。
そんな世界で、突然、父と兄を失い、領主となる事になってしまった貴族の次男セオドア君。
しかも、父と兄が亡くなったのは「国へ税金を治めに向かう途中の海の上」!
つまり、納めるはずだった「税金」も、海の藻屑と消えました。
このままでは「税金を納めていない領」として、取りつぶされてしまう可能性が!
当初は、その運命を受け入れられず逃げ出しますが、とあることをきっかけに領主としてやる気に。
守護幽霊であるリリアの力を借り、領地の運営、そして「再度きちんと税金を納める為」に東奔西走。
特産品である氷を販売したり、故人の資産を売り払ったり……なんとか金策に励みますが、焼け石に水。
そんな時、父と兄(と税金)を失ってしまったのは、嵐や事故ではなく、何者かの陰謀の可能性が急浮上!?
そこで、幽霊のリリアや仲間達と力を合わせ、その陰謀を暴こうと奮闘します!
果たして、セオドア君は、故郷「ユユラング」を救う事が出来るのか!?
どうぞ、ご堪能下さい!!