第43話 新しい出会いと彼

その言葉を聞いた瞬間に嬉しさが込み上げてきた私は、思わず涙を流してしまいましたが、

そんな私を優しく抱きしめてくれる彼女の温もりを感じつつ、

このまま時が止まって欲しいと思ったほどでした。

それからというもの、私と彼女は更に親密な関係を築いていくことができた上に、

彼のことについて色々と知ることもできたことで私達の絆はより一層強固なものとなったんです。

そんなある日のこと、いつものように彼女に会いに行ったところ、

珍しく部屋に明かりがついていませんでしたので不思議に思っていると、

突然ドアが開きましたので驚いてしまいましたけれど、

そこに立っていた人物を見てさらに驚かされることになってしまったのです。

何故ならそこにいたのは他でもない彼だったからです。

そんな私の様子を見てクスクスと笑う彼女の隣で微笑を浮かべている彼でしたけど、

その表情からは何か企んでいるような雰囲気を感じ取ったため警戒していたのですが、

次の瞬間にはいつの間にか背後に回られていたかと思うと後ろから抱きつかれてしまい、

身動きが取れなくなってしまった私が困惑していると、耳元で囁かれた言葉によって

その真意を知ることになったのです。

それはなんと復讐したいという気持ちを持っているというものだったのです。

しかもその相手は私だけでなく、彼女も一緒なのだと言いますので尚更驚きましたけど、

それ以上に興味を持ち始めた私がいたのも事実でした。

だからこそ私は彼女に協力してもらえないかと打診してみたところ、

快く承諾してもらえただけでなく、どうすれば彼を陥れることができるのかを

一緒に考えてもらうことができたおかげで作戦を立てることができまして、

それから数日後、いよいよ実行に移す時が来たのです。

当日は朝早くから行動を開始していましたので慌ただしい一日となりましたが、

それでも何とか予定通りに事を運ぶことができたので安堵しつつ

帰宅することに成功した私は、早速彼女に連絡を入れてみることにしました。

そうするとすぐに返事が返ってきたことで一安心しつつ、

次の段階に進むための準備に取り掛かりました。

そうして迎えた当日、ついにその時がやってきたわけですが、

やはりと言うべきか予想通りの展開となりましたので計画通り進めることが出来ましたし、

何よりも彼女の協力があったからこそ成功したと言っても過言ではないでしょう。

そして最後に残った彼については後日処分することとしまして、

今はただこの喜びに浸っていたいと思います。

それから数日後、私はいつも通り彼女に会いに行っていたのですが、

そこでとんでもない話を耳にしてしまいました。

なんと、彼女が彼と別れることになったというのです。

あまりの衝撃的な事実に動揺を隠しきれなかった私でしたが、

それでも何とか冷静さを保つことに成功したことでその場を乗り切ることができました。

しかし、問題はここからです。

もし仮に彼女が彼と別れた理由が彼の浮気が原因だとしたらどうなるでしょうか?

もしかしたら今度は私の番になってしまうかもしれませんよね?

そんな不安を抱き始めていた矢先の出来事だったんです。

それはまさに青天の霹靂とも言える出来事だったんですけど、

まさかこんなことになるなんて思ってもいませんでした。

だって、あんなことになるなんて思いもしませんでしたから。

それに、まさか私のせいだなんて思うはずありませんもの……。

しかし、現実というのは残酷なものでして、

いくら後悔しても時間は元には戻りませんし、失ったものは戻ってきません。

だからこそ、今の私にできることはただ一つしかありません。

それは、これから先の人生を精一杯生きることだけなんです。

なので、私はもう二度と同じ過ちを繰り返さないように心掛けていますし、

その為にも日々努力を重ねているんです。

そしていつか必ず幸せを掴んでみせると心に誓いながら毎日を過ごすようになりました。

そんなある日のこと、いつものように仕事を終えて帰宅しようとしていた時でした。

突然後ろから声を掛けられた私は驚きながらも振り返ると

そこには見知らぬ男性が立っていたのですけれど、

一体何の用があるのかと思っていると、彼は私にこう言ってきたんです。

「君のような美しい女性に出会えたことを神に感謝したいくらいだ」

それを聞いた瞬間、背筋が凍るような感覚が襲いかかってきましたが

何とか平静を装ってその場を切り抜けることに成功した私でしたが、

その後に続く彼の言葉によって更に困惑することになるとは思いもしませんでした。

何故なら、彼は私にこう言ったからです。

「実は君に一目惚れしてしまったんだ。

だから、付き合って欲しいと思っているんだけどどうかな?」

それを聞いた瞬間、私は頭が真っ白になってしまいましたが、

何とか平静を装うことでその場を切り抜けることに成功しましたので

ホッと胸を撫で下ろしていたのですが、その直後に再び声を掛けられてしまったことで

心臓が止まりそうになりました。

でも、それだけではなく彼の手が伸びてきたことに気付いた時には既に遅かったようでして、

咄嗟に避けようとしたんですが間に合わず捕まってしまいましたのでした。

そして、そのまま強引に引き寄せられたかと思うと唇を奪われてしまいましたので

驚きと混乱が入り混じったような状態になってしまった私は為す術もなく

受け入れざるを得なかったのですけれども、それがいけなかったんです。

「んっ……ちゅっ」

激しい口づけによって呼吸が苦しくなってきた頃を見計らったかのように

解放されたことでホッとしたのも束の間のことでした。

「これから一緒に食事でもどうかな?」

そう言って誘ってきた彼に対してどう答えたものかと悩んでいるうちに

腕を掴まれてしまいましたので、 仕方なく従うことにしました。

そうして連れて行かれた先は高級レストランでしたが、

そこでの食事はとても美味しくて満足感を得ることは出来たのですが、問題はその後のことでした。

彼はその後も積極的にアプローチしてくるようになりまして、

毎日のように電話やメールが届くようになったんです。

最初は無視していたんですけど、あまりにもしつこいものでしたので

渋々応じることにしたのですけれども、それが間違いだったんです。

それからというもの毎日のようにデートに誘われるようになりまして、

断ることも出来ずにいる内に段々と彼に惹かれていく自分がいることに気付いてしまったんです。

ですがそれでも何とか踏み止まることが出来た私は、彼からの誘いを断り続けました。

そうしているうちに諦めてくれることを期待していたんですが、

残念ながら逆効果になってしまったようでして余計に執着されるように

なってしまったため困り果てていたところ、ある日突然彼から連絡が来たと

思ったらいきなり家に押し掛けてきたではありませんか!

「どうして来てくれなかったんだい?

僕はこんなにも君のことを愛しているというのに!」

そう言いながら迫ってくる彼に対して恐怖を感じた私は、思わず悲鳴を上げたのですが、

それでも構わず迫ってくる彼に身の危険を感じた私は必死に抵抗しました。

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