ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。

本編

 第1話:少女が異世界から召喚されました



 ここ数年、各地から魔物の数が異常に多くなっているという報告をされ続けていたサージェルタ王国。

 魔物を討伐するため、騎士団や冒険ギルドに所属している者達も頑張ってはいたが、埒が明かないといった状況だ。

 深刻な被害状況に、サージェルタ王国第十二代国王、ランドルフ・フォル・サージェルタは、初代国王より禁止とされていた、異世界召喚の実施を決断した。

 異世界召喚とは、異なる世界から、この世界を救う力を持つ者、つまり救世主を呼び寄せるという秘術である。


 サージェルタ城、神殿。

 召喚の魔法陣を囲み、神官達が魔石を片手に祈りを捧げ始めた。

 大きな魔石を両手に詠唱を繰り返し唱えるのは神官長。

 それを離れた上段から国王と王太子が真剣な表情で見守っている。

 しばらくすると神官達の持つ魔石から魔力が魔法陣の中央へと流れていく。

「おおっ!」

 興奮した国王の口から声が漏れる。

 その魔力は青白い光となり渦を巻いていく。

 渦は徐々に速く大きくなり、神殿内にいる者達全てが風に抗うために足を踏みしめた。

 突如、ピカッ! と金色の光が放たれた。

 渦が止み、中央に人影があるのを見た神官達が歓喜の声を上げる。

「おおお! やった!」

「やったぞ! 成功だ!」

「救世主様だ! これでこの国は救われる!」

 しかし、その喜びはすぐに困惑へと変わった。

「え?」

「な! ・・・・・・そんな・・・・・・」

「嘘だろ?」

「まさか・・・・・・救世主様が、女・・・・・・少女、だと?」


 この日、一人の少女がサージェルタ王国に異世界召喚された。



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