第9話 2050年、日本の人口はついに1億の大台を割り込み、9900万まで減少していました。

「コマンダー? 」

 声に深香は我に返った。


「何? 」

 平然を装い返答する、またフラッシュバックだ、やばやば、深呼吸。



 その日、深香は、自席で無心にタイプしていたのをケアマネに何度も呼ばれ、しまいには身体を揺さぶられようやく、気付いた。


「ああ、すみません、なんでしょう」

「――だいじょうぶ? 」


 画面には業務日報が開かれ、しかし、入力されていたのは、


「爆発爆爆発爆発爆発爆爆発爆発爆発爆爆発爆発爆発爆爆発爆発爆発爆……」


 延々と埋め尽くされている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

薬禍 大橋博倖 @Engu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ