空耳

音澤 煙管

また聞こえてきた……






空を見上げるといつも

親父の声がするようで


まだ小さかった頃

意味もわからず聞いていた


もし、

お前に好きな人ができたなら

見えなくなるその日まで


お前の精一杯の愛情を

その相手に捧げてやれと


その人のためではなくて

自分の精一杯の姿を見せてやれ


それが伝わればその人が

一生お前の隣にいる人だと


まだ小さかった頃は

意味もわからず聞いていた


今はとなりにいる人の

穏やかな寝顔を見ていると


空から聞こえる

親父の声がするようで


この空見るたび響いてる

今は居ない親父の声が……






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空耳 音澤 煙管 @vrymtl

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ