第3話 もふもふ少女は獣使いの里に身をよせました



 私が転生した世界「アニマル・ラッキー」の世界は素晴らしい所でした。


 多種多様、色形、鳴き声様々なもふもふであふれていたからです。


 にゃんにゃん鳴く動物もいれば、わんわん吠える動物もいます。

 呑気にぐわっぐわっと歩く動物もいますし、ヒヒーンと走る動物なども存在しています。


 正直、事態を認識した時は、どこの天国だろうと思った。

 一度天国に入ったけれど、こここそが天国でしょう、と。


 それで、転生した私は獣人の少女になっていました。

 近くに父様、母様、おばあ様、おじい様、または兄弟様などの影はなく、一人きりです。


「アフターフォローこみで転生してくださいってお願いすれば良かったわ」


 どうやら親類縁者のいない天涯孤独の身になってしまったようで、転生当初はちょっとだけ途方にくれたりもしました。


 しかし、その辺をとぼとぼ彷徨っていたところ、運よく同じ住人の物達に発見されて、保護してもらえる事に。


「おや、こんな所で一人で一体どうしたんだい」

「家族はどうしたの? お兄さんやお姉さんは? え、いない? あらあら、かわいそうに。ねぇ、私達の里につれていってあげましょうよ」


 そこで親切な彼等に連れられて近くにある、獣使いの里という場所まで案内してもらいました。


「娘をなくしたばかりで寂しかったんだ」

「あなたさえよければずっとここにいてかまわないのよ」


 その後は、流れにのっかってずるずると……。

 娘夫婦をなくしたばかりの村長さんとこの御嬢さんになる事が決まりました。


 思わぬ経緯で、里の長の後継者になる事が決まってしまいましたが、私にとって不満はありません。

 お勉強は多少しなければなりませんでしたが、里での日々は比較的おだやかでのんびりとしたものだったからです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る