第27話

 期末テストの結果が戻ってきた。

 わたしはとても嬉しくなった。

小夜さよ、めちゃくちゃ上がってない? 中間テストより」

「うん。信じられない!」

 みゃーちゃんも平均点以上だったらしくて、ホッとしてるみたい。

 期末テストの結果が過去最高だったのは、ここだけの話なんだけどね。

 あと志望校も決まった。

 自分の第一志望は都立神村北高校、第二志望の併願校に佐久間女子にした。

 佐久間女子は少しだけレベルは神北よりは低いけど、合格する確率は高い。




「母さん、冬期講習を受けてみたいけど……」

「いいよ。大歓迎するからね」

 母さんが申込用紙に記入して、お金を持たせてくれた。

「みっちり授業があるので、いいの?」

「うん!」

 わたしは書店で手続きをして、そのまま帰ることにした。

 だんだん寒くなってきて、学校でもみんなセーターを着ている。

 女子のほとんどはジャンパースカートの上にセーターを着ているのに、足が寒いって言ってた。

「みゃーちゃん、今日は大変だね」

「ね~、願書の写真撮影とか、めちゃくちゃ写りが悪くなるのに……」

 今日は三年生全員が受験で使う証明写真の撮影をする。

 願書で使う写真だから、制服をちゃんと着て撮影しないといけない。

 撮影するのは教室ではなく、専用の車のなかで撮影するらしい。

櫻庭さくらば~! 早くしろ!」

「すみません!」

 悠里ゆうりがダッシュで、その車のなかに入って撮影をするんだ。

 わたしはあと六人で撮影が始まる。

「大丈夫かな? 服装とか」

 カメラマンの人と一緒に確認して、車に乗ったんだ。

 その車のなかには、とてもすごかった。

 撮影スタジオみたいな印象で、とてもすごかったんだ。

 撮影を終えて、そのまま教室に戻る。

「あ、櫻庭。写真撮影、どうだった?」

「うん。絶対に写真写りが悪くなるよ。橘は?」

 悠里とは学校では名字で呼び合っている。

 ほんとは名前で呼びたいんだけどね。

 テストの結果を母さんに報告しに行かないと、わたしは少しだけ走っていく。


 家に帰ると、母さんが家にいた。

「小夜、おかえりなさい!」

 でも声で焦っているのは、わかった。

「どうしたの? 母さん」

 リビングで母さんが荷物の整理をしながら、話してくれたんだ。

雪華ゆきかがケガして、病院に運ばれたの」

 その言葉に背筋が凍ってしまった。


 病院に母さんと向かうと、医師からの診断結果を説明していたんだ。

「前十字靭帯損傷です……」

 そのケガは早くに復帰するのができない。

 雪華がいる場所に向かった。

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