第5話 この店は吸える

 私は10年喫煙10年禁煙者です。食後の一服はおいしい。本当にそう思います。食後にコーヒーでも飲みながら一服するのが快感。

ホッとする。

午後からの活力にすらなる。

疲れが取れる。

それが中心になるのに、あまり時間はかかりませんでした。

 早く食べて一服したい。

そんな気持ちが、

一服する為に食べたい

にすぐに変わりました。

お店は、早くて安くてタバコを吸えるところで。。口に出さなくても心の中ではいつも思っていた気がします。もはや、食べるものは何でもいいから、吸わせて欲しい。

誇張表現かも知れませんが、あながち誇張表現でも無かった気がします。

 最近、昔のデートについて話す機会がありました。どこどこのお店は、美味しかったと言われましたが、私はほとんど思い出せませんでした。私だけかも知れませんが、あの店は昔は吸えたのに。。って言う思い出が先に出て来てしまいます。

 デートの思い出を、改めて振り返るとあのテーマパーク、昔はあそこに灰皿あったな、あの広場で携帯灰皿で吸ってたな。そんな思い出もよみがえって来ました。

 禁煙者になり、一人の時は喫煙席に座る事は無くなりましたが、喫煙者と食事の時は喫煙席に座ります。

 周りの人が食事していてもお構いなしに、すうすうすう。。。食事の時間を楽しむと言う気持ちはタバコによって無くなるのでは無いか?と少し科学者の様な思考になります。

少し美味しくないけど吸える店。

美味しいけど吸えない店。

 喫煙者が選ぶのは、きっと前者だと思います。是非試してみたいお題です。

 今日も喫煙者と食事に行きました。灰皿は、外の店でした。注文して待ってる間に吸いに行く、食べ終わってすぐに吸いに行く。そんな姿を今は少し哀れんでしまいました。

人間だけが出来る特権の一つ、料理された物を食べる。そんな特権を純粋に楽しむことをタバコは私には許してくれませんでした。

 タバコを辞めるとごはんが美味しくなって太る。

 まさに私は定説通りです。太りました。ただ、、、タバコを辞めたから太った?辞めたから?そもそもタバコを吸ったから、太る事になったと言う理解の方がしっくりきます。と、言うのも、、、  

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