『ミッドサマー』

 ご無沙汰しております。

 間にも何本かホラーは観たんですけど、書こうと思う作品に当たらず。

 娘にわたしのホラー好きがうつって、ホラーばかり観たがるのでわたしの方が食傷気味になってみたり。

 そんなわけで他ジャンルの映画を観たりしておりました。


 さて。


 観ました。去年のとんでも映画『ミッドサマー』。ネットで話題になってましたよね。映画館の前は通ったんですが、コロナなので自粛しておりました。ですがこの度Netflixで公開されたのでこれは観なければ、と!


 全体的な話としてはアメリカの女子大生ダニーが、彼氏を含む4人の男の子と一緒に、そのうちの一人の出身地であるスウェーデンの『夏至祭(ミッドサマー)』を体験するという話です。

 ダニーには精神疾患があり(心理学専攻)、ダニーの妹もまた同じく、ダニーに不吉なメッセージを残して両親を道連れに自殺を図りました。

 このことが引き金となり、ダニーの精神は更に追い詰められていくわけですが!


 ダニーには4年も付き合っているクリスチャンという彼氏がいるんですけど、この彼氏、もうダニーが重荷になっているのに別れを切り出せない。それだけならやさしさかなとも思うんですが、男友だちと秘密で旅行の計画を立てていたり。

 女子としてはあまり誠実そうに見えない、ただ流されやすい男なのかなぁという感じ。


 この旅行の計画がうっかりダニーに隠しきれなくなりまして、ダニーも参加することになるのです。なにしろダニーは一人じゃいられない状況なので。


 まぁ、普通に考えて、妹の自殺で家族みんなを失ったら······気丈に振る舞うとか無理ですよね。いろいろ差し引いてもダニーには支えが必要だと思いました。ダニーはパニック障害らしいんですけど、そんなのなくてもパニックになるよなぁと。

 その辺、クリスチャンは変に慣れててやさしくない。もっとやさしくしてやれよ、4年も付き合っているんだろう、と思う。


 ですが恋愛映画ではないので。


 クリスチャンの男友だちにスウェーデンからの留学生ペレという子がいて、彼は小さな共同体(コミューン)で育ったのですがそこの夏至祭が今年は90年に一度の大祭なのでぜひ遊びにおいでよと。

 それがすべての引き金となるのです……。


 IKEA、たまに遊びに行くんですけど、北欧では夏至を大きく祝うんです。IKEAでも、ミッドサマーのシーズンには特別なプレートが出されて、向こうの料理をちょっとずつ載せたプレートがメニューに載ります。サーモンやミートボール、ポテトなんかが乗ってます。ほかの映画で観たんですが、北欧は小麦よりジャガイモをよく食べるらしい! 以前はIKEAのメニューにジャガイモの丸茹でがあってそれがおいしかったんですけど、メニューから消去されました。残念。うちでも食べたい。


 脱線しましたが、ペレの故郷にみんなで行きます。

 自然豊かなところ。そして白夜のため時間感覚がない。

 合法(脱法?)ハーブで盛り上がり。

 コミューンは牧歌的、ひとびとは民族衣装に身を包み笑い、踊っています。

 平和的光景。

 ペレの友人がイギリスからも友人カップルを連れて来ていたので合流。和やかな空気。


 しかし祭りが始まると、事態が一変するのです。

 実はこのコミューンは独自の信仰を持っており、とんでもな儀式、習慣が――!!!


 ……長かった(笑)。

 映画自体2時間半あるので。ディレクターズカット版は更に長くて選ばなくてよかったと(一緒にみた娘が日本語で観たいと言ったので)。

 ここから先、白夜の中、牧歌的なシーンと不気味なシーンがけっこう長いスパンでサンドイッチ状態になって繰り返されます。

 最近観た中で最もグロかった。

 その上、規格は15歳以上だったのに、モザイクなしシーンもあって家族で観てもう。だらだら。グロいけど、悲鳴を上げるような感じじゃないんですよね。「えー、グロ」みたいな。


 正直、物語としてはよくあると思う。目新しさはない、残念ながら。

 白夜の映画ならアルパチーノの『インソムニア』がずっと良かった。サスペンスですが。

 とにかくシーンが長過ぎて、冗長になっている点が残念。

 評価が高いというのはどの辺のことなのかなぁと意地悪なことを思ってしまう。

 まだ『パラノーマルアクティビティ』の方が好きかなぁ。ドキドキできるから。←好きじゃない映画代表。

『タイタニック』観た時、腹ペコで(笑)。長い映画って難しい。

 でもこれはもっと短くできる。カメラワークも工夫して興味を引くこともできると思う。


 エンディングにもいろいろ意見が分かれるところらしいですが、みたまんまじゃないですかね?


 夫曰く、コミューンに新しい血を入れる祭り、とのこと。

 見返してみるとまったくその通りで、それ以上でもそれ以下でもない感じです。

 ネタバレっぽかったらごめんなさい。


 あ、そう! 今思えば登場人物に感情移入できませんでした。みんなキャラ立ってて! それもあるのかもしれない。

 と考えると、キャラを考える時って感情移入できるくらいの余地は残すべきなのかもしれませんね。難しい!


 全体的にはそんな感じでした。

 残念ながらあまりお勧めではありませんが、興味を引かれた方、昨年を代表する映画の一本としてご覧になってください。

 ではまた次の映画で!

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