星の妖精

遠い国の白い街に、小さな女の子が住んでいました。

女の子のお母さんは、とっても強くて、優しくて、トビキリ綺麗な、「星の妖精」です。


お母さんの歌は、人々に希望をあたえます。


お母さんの髪が風になびくと、チラチラと星が舞います。


女の子は、お母さんの真似をして歌います。

女の子の歌は、人々を泣かせてしまいました。


女の子はお母さんの真似をして髪を風になびかせます。

しかし、女の子の髪がフワフワと舞うだけです。


女の子はとうとう泣き出しました。

「私は、お母さんのようにはなれない。ダメな子だ。」


するとどうでしょう。

女の子の瞳から、ポロポロと、次から次へとカラフルなお星様が落ちます。


「あら、あなたは甘い妖精さんなのね。」


お母さんが言います。


「あなたはお砂糖の妖精さんなのよ。きっと。」


そう、女の子はあまーいあまーいお砂糖の妖精だったのです。


だから、女の子の歌は、人々の心を揺るがし、感動の涙を流させたのです。

だから、女の子の髪は、フワフワと甘い香りをまくのです。

だから、女の子の涙は、甘いコンペイトウなのです。


女の子はやっと自分の“星”を手に入れました。


それからも女の子は人々に甘い夢を届けたのでした。

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