自傷癖


痛いが分からなくて

生きてるって裏付けが欲しくて


カッターナイフを持ち出した

錆びたカッターは錆の匂いを醸しながら

私の皮膚を裂いていく


痛い

誰かが痛い

私なのに

私じゃない誰か


うわぁ、痛そう


それは私で、私でない


きっと誰かが泣いている

痛い痛いと泣いている


今日も私は分からない

痛いが分からなくて

生きてるって裏付けが欲しくて

カッターを持ち出すんだ

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