くっ——SSSレベルの漆黒の粘液には負けない魔法剣士なんですから……っ!

「私はずっと、その大きな乳に復讐する日を待ちわびていたのかもしれません——!」


 手に持ったフランスパンを天に掲げ、大きくフィフィオに向けて振り下ろす。


 ——前もって説明しておくが、これらはお菓子祭り用の食材なので多少手荒に扱っても、全然清潔に食べられる代物なのである!


「きゃっ」


 フランスパンの一撃はいとも簡単に彼女の手にへばりつき、オリーブオイルが彼女の顔に飛び跳ねる。その瞬間にキャベツを地面に落としてしまい、フィフィオは無防備となった。


「さあ、どうしてくれましょうか——」


 己の胸がない腹いせか、オリーブオイルをしっかり塗ったフランスパンをフィフィオの下乳からゆっくりと持ち上げる。


 あの重量を持ち上げるのだからあのフランスパンの太さといったら立派なものだ。


「ほらほら、反撃しないと間に挟んじゃいますよー」


「くっ、お菓子祭りバトルでは、手に持ったお菓子祭り用の食材じゃないと反撃できない——もし破ればペナルティでインファイナルアフェアを取られて、インビンシブルの際に不利になってしまいます——!」


 フィフィオは極悪な顔をしたエリィのフランスパンの、執拗でねっとりとした攻撃に耐えながら妙に説明口調で俺へと話している。


 その間にも巨大で太いフランスパンは制服の裾から、彼女の豊満な胸の間に向けて、下から上へと挿入されていく。


 なんてマニアックな入れ方をするんだ、エリィめ、許せない! 何が許せないか分からないが!


「や——、ぬるぬるで——ん」


「この状態でファーストクリームの援護さえあれば、フィフィオさんは再起不能ですっ」


 ぬふふふ、と笑っている間に俺は急いで食材を探す。


 食材なら良い、食材なら攻撃できる。


 このフィールドには馬車に調理用の食材、バトルフィールド上にはお菓子祭り用どんなに使っても清潔に食べられるヤバイ食材類がランダムに置かれている。


「ほらほら、このふわふわな胸がわるいんですよお」


 谷間に差したフランスパンを上下に上げたり下げたりしてこすって揺らしているエリィは、どうやら俺には興味はないようだ。ちらりと目を見ると、


(まな板一族には多少の慈悲を授けましょう)


 と語っている。


 だが、その判断が命取りだぜエリィ!


 俺はついに草むらに隠れていた食材を拾い上げ、エリィへとぶちまける。


「にゃ、にゃあ!」


「どうです、誰が準備してたか全く分からない、まだ人肌にぬるいチョコレートのお味は!」


 どろどろに濃い、黒色のカカオ七五パーセントくらいのチョコレートを被ったエリィはその場にへたり込む。


 額から顔に掛けてとろりとしたチョコレートが滴り、口の中にも結構入ったみたいで少し咳き込んでいる。顔を守るのが遅かったのか半端に口の前に出した両手には、チョコレートのたまり場が出来ていた。


 スクール水着も真っ平らな胸といいつつ、ほのかに膨らんだ成長過程の未発達な胸と華奢な腰回りに、べっとりとくっついている。


「領主さまを援護して!」


 エリィが咳き込んでいる間にも、後方から駆け付けた制服部隊がボールに入った生クリームをエリィへと容赦なく投げまくる。


 うわあ、結構えげつないレベルでかけるんだなぁ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る