世界で一番キライ

奥平 舞依

第1話

 私が一番嫌いなモノ


 可愛い


 綺麗


 美人


 アイドルになれるんじゃない?


 小学校の時は、友達が好きだった子が、私のことが好きだった所為でその子と喧嘩別れした。しかも、私が悪者みたいになって、今まで友達だったはずの子からも仲間外れにされた。

 それが嫌で、転校したことをきっかけに『』になった。

 中学生の時は、『地味な子』を演じたお陰で厄介なことには巻き込まれなくなった。

 そのまま高校生になったけれど、ちょっと最近考えることがある。

 このまま『地味な子』のままでいいのかなって。


華燐かりんってさぁ、ベースはかわいーからもっとおしゃれすればいいのにぃ」

 私と中学から同じクラスの美穂みほが言うと、

「美穂みたいに校則をガン無視できるくらいの根性、華燐にあると思う? あたしの愛する純粋培養のピュアな華燐は渡さないわよ」

「私は玲那れいなのものになった記憶ないんだけど」

 玲那は、高校になってから知り合った子。同じクラスだったことから意気投合した。


 みんな、みんなとってもいい人たち。

 なんで私と友達でいてくれるのか分からないくらいいい人たち。

 だから、ごめんなさい––––––私は、悪い人だった。私は……あなたたちを裏切ってしまう。

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世界で一番キライ 奥平 舞依 @oku-nar

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