オタクな高校生がゲームクリエイターになる!?!?

@Elf_Sato

第01話 先輩との約束

あれは、高校生になり早くも夏休みが始まるそんな時期のことだった...




 俺は今年の4月から高校生になった、オタクでゲーム好きの中村 雄一【なかむら ゆういち】入学して早々に文芸部を作ることになった。というのも、自分から進んで作ろうとした訳ではなく幼馴染の河合 枝里【かわい えり】から一緒に漫画を描こうと言われ断れなかったからだ。自分自身特に入りたい部活とかなかったし、昔えりと一緒に漫画を描いていた時期があったので、久しぶりに描いてみたいと思ったのも理由の一つだ。

 だがしかし、どういう風の吹き回しか俺はそのまま文芸部の部長になってしまい、ゲームを作ることになってしまった。


 ――そして今に至る...


「ていうか、文芸部って小説書いたり漫画を描いたりするんだから、俺よりもまだ文章力もあって、絵のセンスがある、えりが部長になった方が良かったんじゃ...」


「うるさい! そもそも、ゆういちが『あの時の桜が舞い散るあの場所で起きた小説で言うビッグイベントをゲームにしたら絶対にいい作品になる!』って言ったからその流れで部長にしたんだよ。」


「あ...そう言えばそうだった...」


「ゲームを作るって言われても、まだ大きな方針しか決まってないのに、どうやって絵を描けばいいのよ。とりあえず今日の活動は終わろう もう6時だし。」

 えりは学校では猫を被って明るくて優しい八方美人だが内面はネットで同人誌を描いていて、しかも結構有名なのである。その有名同人誌作家に、俺たちが作るゲームのイラストレーターになってもらった。

 でも、いくら有名同人誌作家でも、詳しいシナリオが決まっていないと先に進もうにも進めない。俺は脚本家でもないしゲームの脚本作りなんか俺は荷が重すぎる。

「なあ、えり 明日は部活の休みだけど、ミーティングやってもいいか?」

「別にいいけど、部員がゆういちと私しかいないのに、わざわざ明日あつまる意味あるかな... それに今度作品展に出さなきゃいけないから、やるなら早めに終わらせてね。」

「明日のミーティングは部員のことについても含まれているから絶対に来てくれ。」

「それじゃあ私先に帰るね。」

「明日放課後直ぐに部室に来いよ。」

「わかった。」

 その日は解散した。


 ――ピピピピ...


 夜、お風呂上りに最近ハマっているラノベの最新刊を読んでいると、2年生の霞 香央里【かすみ かおり】先輩から電話がかかってきた。

 かおり先輩はいつも成績学年トップで、女子高生の平均身長よりも高く、黒髪ロング、鼻筋が通っていて目も大きい。俗に言う美人と言われる顔立ちで、凛としてる。そして、友達があんまりいない。

 入学式の時に新入生の挨拶で、在校生の代表で挨拶をしていた。

 かおり先輩とは、去年の冬コミでえりのサークルの手伝いをしていた時に初めて会った。というのも、かおり先輩は若きライトノベル作家の「霞香央【かすみ かお】」で、処女作の『恋のぼり』で100万部を超えた人だ。そして、自分の同人誌を買うためにコミケまできていたのだ。そして、えりが描いた同人誌の元ネタが、かおり先輩が書いたラノベだった。それ以来、かおり先輩が書いた『恋のぼり』について語り合うようになり、今に至る。


「ゆういちくん ごめんね。夜遅くに電話かけちゃって。実は少し詰まっちゃたから、少しアイデアを貰おうと思って電話したの。」

「丁度良かったです。僕もお願いしたいことがあって聞いてくれますか?」

「ゆういちくんのお願いなら聞いてあげないこともないわ。」

「ありがとうございます。実は部活を新たに作って、その活動でゲームを作ることになったんですけど、そのゲームの脚本を担当していただけないかとおもいまして...」

「それはちょっと無理なお願いね...」

「かおり先輩は『恋のぼり』の完結に向けて忙しくなるのは重々承知の上ですが、そこを何とかお願いできませんか?」

「直ぐに結論を出すのは難しい。だから、ゆういちくんに条件を与えます。明日までに、私の納得のいくゲームのプロットを作って来なさい。納得のいくプロットだったらゆういちくんのを願いを聞きます。」

「わかりました。俺絶対にかおり先輩が納得のいくプロットを作ってきます。」

「明日、昼休みに学校の屋上で待っているわ。」

「はい!」


 ――プープープープー


 電話を切ってから気が付いたんだけど、かおり先輩の言ってた「少しアイデアを貰おうと思って」って言ってたけど、何のことだったんだ?...

 ふと時計を見ると、11時を回っていた...

「やべ、直ぐにプロット作らないと間に合わね」

 そんな独り言を漏らしながら急いでデスクについた。

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