第24話 ゲジゲジ
「今から病院🏥に行きますよ」
「そんな所に行かなくていいわ」
「転倒したので、骨🦴が折れているかもしれないでしょう?」
「大丈夫。大丈夫。私はどうもなってないねん」
「どうして、そんな事がわかるのですか?もし、折れていたら大変じゃ無いですか?念の為に行っておきましょう」
そう言うと、渋々痛みを堪えて介助をしながら車椅子👩🦽に乗り替わってもらった。トイレ🚽誘導し、排泄を済ませる。
「さあ行きましょうか」
鰐浜は、従わないといけないのかとガックリ力が身体から抜けていた。車に乗り込んでもらう際には、車椅子👩🦽から車🚗の座席に何とか乗り込んでもらうと、「痛い!」と顔を顰められた。
新島村が、車を運転し門戸診療所🏥に着いた。黒🐦⬛く焼けた医者の白衣は、これからAV撮影でも始まるのかと思ってしまう。細長いゲジゲジを鼻👃の下で飼う男👨。「猥褻」という漢字を人👦で表したら、こんな感じになるのだろう。あのゲジゲジも、セックスの小道具として使っているに違いなかった。
顔をパンツ🩳で隠さないと。(そ、そんなあ。ゲジゲジ)
「職員さん、奥へどうぞ」
鰐浜の車椅子👩🦽を後ろから押して🫷いた。待ち合い室には数人いたが、AVの出演者ではないらしい。本当の患者のようだ。待合室には、70代もいるからどんなAVになるのかと一瞬思った。
門戸医師は、真っ黒でニタリと笑う歯🦷が真っ白に光って✴️いた。一瞬背中を向けて振り返った後、腰に腕💪を水平にし、髪の毛をデップで濡れ濡れにし、ポージングオイルでヌラヌラに光らせ、胸筋を膨らませたら、『あかん。ダメだ。つい笑ってしまう』新島村が、想像するだけで笑い声を上げそうになってしまっていた。看護師にも思わず、「ナイスですね」と声をかけたくなった。
門戸医師は、触診しながら訊ねた。
「これ、痛いか?」
「ああっ!」
悲鳴ともうめき声ともつかない声をあげる。
「うーん、痛そうやな」
認知症の何でもかんでも「痛い、痛い」という言葉と、本当の痛みとわけなくてはならない。
「ちょっと熱感もあるしな。ここよりも、大きな病院🏥で診てもらおうか。紹介状書くわ」
外科的な手術となると、ここでは出来ないのだろう。
「ワイワイ中央病院🏥知ってるか?」
門戸医師が、訊ねた。
「は、はい」
「今からそっちに行ってくれ」
鰐浜が座る車椅子を押し待合室に戻った。新島村は、施設に電話☎️しなくてはと思い、携帯電話📱を取り出した。
「どないしたん?」
鰐浜が、訊ねて来た。
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