もう読むの何作目かな?の、おなじみ岩田屋町シリーズです。
今回の主人公は、十四歳の隼人少年。
幼なじみの遥を大切に思う心は真剣そのもの。
でもその心は、性の意識や圧倒的暴力の前で、時に微妙に形を変えることもある。
まだ幼い彼には、「自分が遥を手に入れて、絶対に幸せにする」と言いきれるだけの基盤が何もない。
時に繊細で、時に泥臭くて。
美しいと同時に生々しい、等身大の中学生の姿が軽快なタッチで描かれます。
暴力にもまれる姿は、あまりに痛々しくハラハラしてしまいますが、彼ならではのカッコよさも存分に表れていると思います。
ヒーローになりきれないヒーロー予備軍。
応援したくなる少年・隼人には、ぜひとも夢と幸せを実現してほしいです。
続編(その②)も楽しみです!