転生しよう

camel

転生しよう

 俺はファンタジーの世界へ転生した。顔立ちの美しい女性たち……は、別の転生した男の周りを囲んでいる。どうやら、彼は生前に政治家をしていたらしい。学のない俺には誰だかわからない。とりあえず、賢い男は国に新たな法を作り、周辺国との交渉をし、平和的に国を治めていく。俺は掃除夫の職にありついた。同僚のおばさまからモテている。今日も顔に刻まれたシワを見ないふりをして、おばさまを抱いた。そういえば、生前もそうだった。快楽より虚無が増す。次の転生に期待して、俺は城から飛び降りた。政治家の男の真下に落下した。


 目が覚めると、金髪のエルフに世話されるあの男がいた。俺はオークになっていた。理解した。やることはわかっていた。


 男の目の前に出ていくと、エルフに射殺された。これでいい。これで、もう一度!



 俺は昼間に目を覚ました。

 親のつけたテレビではあの男が演説をしている。

 別の政党に票を入れよう。

 それだけはわかっていた。

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転生しよう camel @rkdkwz

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