冒険者ギルド1

「以上になりますが、他には質問がありますか?」


冒険者のことについてはだいたいわかった。

魔法のことでも聞いてみるか。


『遠くの村から出てきたので、魔法について詳しいことがわからないが教えてもらえますか?』


得意気に受付嬢は話始める。


「魔法はですね―――」


どうやら魔法は美人さんの得意分野らしい。


魔法は等級制である。上から、5〜1等級となる。1等級以上が使えさえすれば、魔法使いとなれる。魔法使いの人数は全体の中では3割くらいである。魔法を扱う力のことを魔力と呼ぶ。魔法により属性などはあるが、基本的には威力や射程、範囲、使い勝手、応用性などにより等級が決まっている。才能のある者の中には自分専用の魔法を使える者もいる。訓練や鍛錬、実戦の中で使うことにより熟練し使える等級が上がっていく。(ここではレベルなどの概念がないため詳しくはわからないがそういうことだろう)しかし、人により各魔法の得手不得手、鍛錬時間の差(おそらくはレベル差)はあるのでばらつきがある。等級が上がることはかなりの時間が必要である。多くの魔法使いは1〜2等級であり、才のある者が3等級である。3等級まで使えれば天才と呼ばれることがほとんどである。4〜5等級になると、それは集団で使う魔法が多くを示し、個人で扱えるものはいないとされている。等級にはない魔法も存在するが、指先を光らせたり、手を洗えたりする少量の水を出せる程度の生活魔法である。生活魔法を使えても魔法使いとは呼ばない。生活魔法ぐらいは誰でも使える。魔力量は数値化されてはいないため各人の疲労度によりなんとなくわかるらしい。魔法紙と呼ばれるモノに魔法を記述することができる。記述するにも魔力は必要。その記述された魔法紙を扱うことを魔術と呼び、誰でも扱うことができる。(実質的には等級1〜2の魔法が大半)誰でも扱うことができるため魔術を使うという認識はあまりされていない。また、高価である。1〜3等級まで魔法の名称すべてあらゆる形で公開されている。なので冒険者ギルドなどでも聞けば教えてくれし、魔法の詳細の書かれた本なども貸してくれる。情報管理に対して甘い気がするが、元々個人の強さが結果的に各国のそれぞれ自衛に繋がるためである。


「こんな感じですかね」


『ありがとうございます』


時間があるときに魔法も覚えるか、俺には使えないが。

依頼でもなにか受けてみるか。


『依頼はどうすればいいですか?』


受付嬢は指を指しながら


「あそこにある依頼書の中から選んでもらいます」


そこにはランクごとに分けられている依頼書が貼ってある。

個人やチームのランクがあっていれば受けられる。

依頼に失敗が続いたり、大きな問題を起こしたりするとランクは没収されたり、最悪の場合ギルドから追放される。


『ではこれを』


依頼書の1つを取り、受付嬢のところまで持っていく。

受付嬢は小さな棒を取り出し依頼書を軽く叩く。依頼書が光る。

おそらくは魔法だろう。


「依頼書はこちらで預かりますね、依頼頑張ってくださいね」



『はい、頑張ります』



人混みの中を抜けて冒険者ギルドを出た。

目的地はジュラール大森林だ。

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