城塞1

城塞都市エルドラ――エルドラ城塞では、

今もなお帝国対策に議論を交わしてる最中である。青色の髪の男が地図を指さしながらも喋り続ける。


「いえ、タール草原で戦うのは厳しいかと。ジュラール大森林に誘い込むべきでしょう」


この場に似合わず派手な装飾をした太った男が即座に否定する。


「ジュラール大森林だと?あんな野蛮な民族がウヨウヨいる所でなにができる?帝国の戦力などたかが知れている。レオン、貴様、王国騎士の副団長のくせにもっとまともなことを言えんのか」


青色の髪の男―――レオン・エヴァレットは気にせず話を続ける。


「本来はタール草原で、こちらが先に待ち伏せをして裏を取り一気に魔法で叩くのが効果的ではあると思います。しかし、帝国は今回、八剣のうちの一人【魔導殺し】が将を任されていると聞きました。彼一人がいるだけでこちらの魔法はあまり効果的ではないでしょう。ならば、彼の動きを制限しやすいジュラール大森林へと誘い込む方が良いと思われます。いかがですか?マガト様」


周りから、おおーと感嘆の声が上がる。


太った男―――マガト・プランナー伯爵は顔を赤くしながら


「貴様がいくら策を出そうが、今回の大将は私だ。現地では私に従ってもらう」


それだけ言うと、扉を強く開け部屋から出ていく。


レオンは開いた扉を見つめ思う。


(なぜ‥このような男を‥国を‥国を壊したいのですか?)



声なき苦悩は王には届かない。



グニャリ、液状から人型に戻る。

次は、冒険者ギルドだな。

金稼ぎも考えてたし登録するか。

見た目を変えとくか。念の為。


冒険者ギルドの扉を開ける。

中は人で溢れている。酒場もあり、賑わっている。

人混みをかき分けながら、受付まではたどり着く。


『すみません、冒険者ギルドに登録したいのですが』


少しばかり尖った耳の美しい女性が答える。


「はい、ではこちらにお名前や職種などご希望をお書き下さい」


相変わらず、言葉は通じるし字も読める。視聴率補正か?

名前は偽名にして、後は適当に書くか。


『これでいいですか?』


「はい確認しました」


笑顔でこちらを見てくる。

思わず見とれてしまう。


「では、冒険者ギルドについて説明しますね」


冒険者にはランクがある。上からSABCDEFとなる。

ランクに応じた依頼を一定数こなすことによりランクは上がっていく。

個人だけではなくチームも組める。その場合は受付が必要だ。

チームにもランクがあり、ランクはチームの平均で決まる。

現在この国では、Sランク冒険者チームは1つだけである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る