第27話 小さな少女と語りたい③
「なー、カケヤン。そろそろ機嫌なおしてーや」
「………………」
俺は
別に怒っているとかではなく、恥ずかしさと自己嫌悪で
一線を越えはしなかったが、その一歩手前までしてしまったようなものだ。
あの時、力ずくでも
俺と
だが、仮に力ずくで引き離すとして、その場合は
その事を考えていると、また
「はあ………」
「そんな溜め息せんといてや。さすがに
「………いや、そういう事じゃなくてだな………悪かった」
「なんで謝るん?だって
「っ!………お前なぁ」
「まあまあ、
当の
「なあ、お前は
「ん~………」
「トマリンの計画そのものに興味ないのはホンマやで。けど、個人的に『恋愛』にまで興味が無いわけやない。
「で、でも、別に俺の事がその………好きってわけじゃないんだろ?」
「さっきも言うたやん。カケヤンの事、だんだん好きになってきてるって」
「好きになりかけで裸で迫るのかお前は!」
「それは………
「研究だと?」
「これも言うたと思うけど、ここにいる
「ああ、確かに言ってたな。お前の場合はその研究とやらの為だというのか?」
「せや。詳しい内容まではまだ話せんけどな」
研究か。
つまりここにいる奴は必ずしも
俺にとっての『
しかしまぁ、風呂場で裸で迫ってくるのが関係するあたり、ろくな研究では無さそうだが。
「まぁ、話したくないなら無理に聞くつもりは無い」
「助かるわ。ほな、掃除はもうこんなもんでええやろ?
「ああ」
「明日のお相手はサワリンやったな?まぁ頑張ってきぃや」
「
「そうやとええな………それじゃっ」
「?」
そう言い残し、
さっきのはどういう意味だ?
まだ付き合いは浅いかもしれないが、俺の中で
最後に人を不安にさせる捨て台詞を残していきやがって。
一応、心構えだけはしておくか。
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