婚活を通して、さまざまな出会いと別れがある。他者と向き合うことで、自身が求めているものが明確になっていく。結婚という「終着駅」に向かっているのだけれど、相手をもっと知りたい、また、相手からも同じように思ってほしい、という恋愛のカタチが浮き彫りに。読んでいて、惚れるから始まる恋愛は、両思いであっても、一方的な幻想なのではないか、と思った。本文の「食べ方がイヤ。好きならば許せる」は、好きという感情が消えた時には、食べ方だけでなく、相手のすべてを否定的に捉えるのではないか?好きという感情は重要だが、食べ方を許す、許せるではなく、その食べ方自体を、相手のあり方として受け止められた時、結婚へと繋がるのではないだろうか。ヒロインの毀誉褒貶を経て、読み手の我々は、自身の価値観を探っていける。内省的な書き方が、読み手自身、気づいていなかった思いを教えてくれる。書き手のうまさが、知らなかった自分を教えてくれる作品。これを読んだ後に、結婚生活を記した次作を読むと、一層、詳らかになる自身のありように触れられる。
作者さまの実体験をベースにした私小説風の物語。テーマはなんと婚活!
変わった男、ズレた男、スカした男、とにかくいろいろな男が結婚を求めてさまよっている様子がイヤというほどリアルに書かれています。中には婚約寸前まで行って破談になったり、危ない目に遭ったり。まさに波乱万丈。結婚は恋愛の延長にある、とは限らないことが身にしみてわかります。
徹底的に女性目線で書かれているので、男性が読むと「えー、こんなところ見られてるのかー」「ここでそんなことするの!?」と怖くなったり驚いたり。
これから結婚する人には刺激が強すぎるかもしれない実録婚活ストーリー。既婚の方にも未婚の方にも、男女問わずおすすめです!
仕事や家庭の事情で、結婚に対してはあまり積極的ではなかった真奈絵。
「自然に任せ、良いご縁があれば」ってスタンスで、今までもそれなりに人付き合いはして来ていた。
ただ「運命的なご縁」に恵まれなかっただけ。
でも気づけば、結婚生活をある程度楽しむ時期と、出産後の子育てを考慮した「適齢期」は、もう取り返せない年齢になってしまっていた。
そう、つまり真奈絵はだいぶ「行き遅れ」てしまっていた。
そして、それなりに人生経験が豊富な年齢になってしまった為に、恋愛の勢いで結婚するという「勢い」はなくなり、男性からは「存在そのもの」が重荷に感じられてしまう。
そんな難しい「お年頃」になってしまっていた真奈絵。
ある時ふと「この先ずっと一人でいる」ことを想像し「それはイヤだ!」と思い、ついに真奈絵は決断した。
婚活という大海原へ運命のパートナーを釣り上げるべく出航する!!
世間的にはだいぶ遅れぎみだが、本格的に漁(婚活)に出た真奈絵。
色々な種類の魚(男性)を釣り上げる(出逢い)なかで、色々な考え方や価値観に触れ、恋愛や結婚に対して様々な葛藤が生じ始めてしまう。
はたして真奈絵は大物(運命の人)を釣り上げて無事に帰港(結婚)することが出来るのだろうか。
この物語は、一人の女性が行った結婚活動の心境を綴った、実録という名のフィクションとなっております。