安定した出来の良作です



 作者はすごく書き慣れた感じで書いているので、基本的に読みやすいです。

 物語は、騎士や枢機卿がいるファンタジックな世界観に、元素やエーテル、汽車といった近現代の科学がすこーし入った設定。そこで連換術師が活躍する冒険譚。

 全体の雰囲気として、ダーク・ファンタジーとライトノベルの間くらい。重くもなく、軽くもなく。

 キャラクターたちも多彩で、すこしヒロイン過多め。

 筋運びも無理なく、わかりやすい。長い解説も少なく、全体として綺麗に描かれた印象です。エーテルや連換術といった独自の設定もあって個性的な個性的な部分もあります。

 ただ、この綺麗に書けている部分が逆に、ぶっとんだところのない、あるいは、とんがった部分がないと、評価する読者もいるかもしれません。

 本作は、綺麗に書かれた良作です。欠点があるとすれば、綺麗すぎるところでしょうか。


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