夢見る鼓動

始まりは知らない



自我が芽生えた時 既に身体は育っていたから



終わりも知らない



己が消える時 意識はとっくに失われているから



不老不死を望むか?



永遠の命



永遠に続く自分だけの舞台



終わりのない歓楽と憂鬱の劇場



観衆は消えていく



役者はひとりで踊る



短命を望むか?



儚い命



すぐに終わってしまう小さな演劇



誰も気づけない喜怒哀楽の演目



観衆は知らない



役者は多く 代役のみが踊る



鼓動は止まらない



最後の拍手を送るまで



いつか



鮮やかなスポットライトを浴びる日を



夢見て



鼓動は重ねる


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月に願う、陽に眠る 黒胡麻七味 @kurogoma7

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