第一話 お世話役の可愛いアイリン登場、でもって初回探索!・その一

 気が付いたら私は、如何にものどかな感じの村の中に居たわ。


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 サラの能力値


 レベル:  1 【冒険者としての熟達度】


 筋力 : 50 【筋力系武器での攻撃力に影響する能力】


 器用さ: 30 【器用さ系武器での攻撃力に影響する能力】


 知力 : 40 【知識系スキル取得に影響する能力】


 耐久力: 35 【防御力と最大生命力に影響する能力】


 敏捷性: 40 【命中率と回避率に影響する能力】


 集中力: 70 【魔道具使用時の効果に影響する能力】


 MHP:200 【最大生命力の基準値】


 (※【】内の情報は初回時のみ自動的に表示されるTIPS。以後はサラの任意で表示のオン/オフが可能)


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 これが私の能力を示す数値か。ふむ、どうやらこの世界でもこうした情報領域ウィンドウは出せるのね。


 冒険のTIPSコツまで出るなんて至れり尽くせりね、感心しちゃうわ。


「おおっ! そのご立派な肉体を遺憾いかん無く陽の光に晒しておられる様は、正しく女神が遣わした迷宮の探索者殿でございますな!」


 あら? なんか近くで東洋系民族衣装っぽいのを着たおっさんが、私を見て感激してるわよ?


 私のこのビキニ姿に一切ツッコんでこないって事は、やっぱりこの世界じゃこんな格好でも別に気にはされないのね。


 さて。じゃあ顎髭わっさぁと蓄えたこの目つきの鋭いおっさんと、取り敢えず話をしてみましょう。


「ええ、まあそんな所かな。この世界にはまだ来たばかりだから、色々教えて貰えると嬉しいわ」


 向こうは私に対して敬ってきてる感じだから、ここは敬語は使わないでおくわ。弱腰を見せると逆にガッカリされるかもしれないもの。


「お任せ下され! ワシはこの村の長ですでな、村の事なら全て把握しておる!」


 ほら、私の堂々とした態度を見て期待に目を輝かせてるわ。ふむ、この人村長なのね。

「私の名前はサラ。よろしく村長さん」


 ※


 まずは村長の家に案内されて、そこで私は彼の娘さんと出逢った。


 今の私と同い年位かな。純朴そうなとても可愛らしい女の子で、半袖ミニスカートに前垂れを付けた格好が素敵だわ。


「アイリン、と云います。サラ様の、村で、の……お世話をさせて頂きます……」


 うわっ、ガチガチじゃないこの子!?


「そ、そんな緊張しないで良いわよ。年も近いし、お互い気楽に接しましょ?」


 まあ私の中身は二十七歳なんだけど、ここは彼女の緊張をほぐしてあげるのが先決よね。



「は、はい……」


 アイリンはうつむきながらも、上目遣いで私の方を見てきてる。


 あーでも、私も高校生の時はこんな感じだったかなぁ。大人になって今みたいにスレちゃったけどね。


 よし。今は見た目は同年代だけどそれでもこの子に対しては、ウザくない程度に私が引っ張ってあげるとしましょう!


「後で村の中案内してね、アイリン?」

「はい……!」


 微笑みながら言ったら、恥ずかしそうに顔を赤くしたわ。ふふっ、なんかほっこりしちゃう。


 あ、村長が話し掛けてきたわ。


「ところでサラ殿には村のしきたりで、一つ武器をお渡しする事になっておる。ここで受け取ってくれますかな?」

「そうだったわね、女神からもそう聞いてたわ」


 村長が出してきた武器は鉄製のロングソード。おお、思ってたよりだいぶ良い初期装備じゃん!!


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 ロングソード:筋力系・長剣カテゴリ・武器威力300


 <装備>


 筋力50×倍率1.00=攻撃力50


  ↓


 筋力50×倍率3.00=攻撃力150


 【ここでの攻撃力算出の解説】


 【筋力系の武器なのでサラの筋力を基本値に用いる】


 【武器威力を倍率に変換。武器威力÷100=倍率となる】


 【筋力×倍率=攻撃力となる】


 【ちなみに素手の状態では倍率は1.00となる】


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 わっ、なんか出てきた!


 これは装備の情報領域ウィンドウね。どれどれ……。


 ははーん、大体仕組みが分かったわ。皆は分かる?


 えとね、取り敢えず最後の『攻撃力150』ってのが私の実際の攻撃力よ。今分からない人も、そう憶えててくれたら問題は無いわ。


 マジに大丈夫よ。ゲームでもそうだけど、やってく内に段々色々分かるようになってくものだから!


 ※


 その後私はアイリンと一緒に、村を見て回った。


 今は説明を省くけど、民家だけじゃなく冒険の助けとなる施設なんかもちゃんと在って、そこは一安心って感じね。


「村の様子、大体は分かったわ。ありがとねアイリン」

「いえ、どういたしまして」


 まだちょっと固いけど、少しは打ち解けてくれたかな?


「じゃあまだ時間も有る事だし、早速迷宮とやらに行ってみるわね」

「えっ、今からですか?」


「うん、早い内に迷宮探索の空気感を味わっておきたいのよ」


 ていうか本当の事言うと、村の施設より先に迷宮に行きたかった位なのよね。可愛いアイリンと一緒だったから楽しめてただけでさ。


「あ、あまり無茶はしないでくださいね? 迷宮に入ったらすぐに魔物も出てきてしまいますから……」

「大丈夫。その辺の帰る見極めなんかは、私十分馴れてるもの」


 今までにやった数あるゲームの中でね、ふふっ。


 よしっ、いざ迷宮へっ!

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元ゲーマー女サラ、異世界迷宮でハック&スラッシュをするっ! 神代零児 @reizi735

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