ぼくはなにをしているんだろう

ここです。

短編 ぼくはなにをしているんだろう


 喫茶店でコーヒーを頼む。向かいに座る女性の分もふくめて2杯。僕は彼女の話を聞いて相槌を打つ。彼女から放たれるのは彼氏への愚痴。彼氏とどうしたらいいかと尋ねられる相談。彼氏とののろけ。


 話されるのは、すべて彼氏とのことで。

 ちなみに僕は彼氏ではない。ただの友達だ。彼女にとっては。


 僕にとってはそうではないけれど、それはもう伝えることはないはずで。彼氏の話を聞くことは僕にとっては苦痛でしか無いはずで。それでも聞いてしまうのは、やっぱり惚れた弱みであるわけで。


 はっきりいえば、いつもなにを話したのか曖昧で、さらにイライラのほうが多かったりする。それでも、彼女と一緒に居られるのはこの時間だけで。痛い針が心に刺さろうとも一緒にいる喜びがほしいわけで。


 苦い苦いコーヒーを飲む。


 いつも、先に彼女は席を立ち、彼氏の元へと去っていく。


 ひとり喫茶店に残される僕。




 ぼくはなにをしているんだろう

 ぼくはなにをしているんだろう


 ただ、進むもなく、下がるもなく

 彼女の近くで彷徨い続ける


 ぼくはなにをしているんだろう

 ぼくはなにをしているんだろう


 最後の一口に口をつける


 苦いコーヒをいつものように飲み干して

 

 今日も僕は苦さと甘さを心に抱え喫茶店を後にする

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ぼくはなにをしているんだろう ここです。 @kokotangpu

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