第6話


炊き込みご飯を仕込むためにまずは白米を洗い、炊飯器に入れる。


まだ水などは入れずにとりあえず埃が入らないように蓋だけ閉めておく。




で、具材の準備だ。


今回は鶏肉とごぼうの炊き込みご飯にしようと冷蔵庫の中から鳥もも肉、ごぼう、あとは人参についでにしめじも取り出す。


味付けには簡単に鰹節と昆布の合わせだし醤油だ。鳥からいい出汁もでるが、カツオと昆布の出汁をプラスした方が個人的には美味しくなると思っているし、だし醤油はとても便利だからね。




鶏肉の食感をしっかり味わえるように3センチぐらいの大きさに切る。


ごぼうはきれいに洗い、皮ごとピーラーを使ってささがきに。


包丁でやってもいいんだけどピーラー使った方が薄くできるんだよね。


人参も同じようにきれいに洗ってピーラーでごぼうと同じように。


ごぼうと人参は軽く水洗いをしておく。ごぼうは色が変わってしまうから水にさらした方がいいというけれど、その場合、ごぼうに含まれる成分が流れ出てしまうそうなので自分はあまり水にはさらさないようにしている。


しめじはスーパーで売っているものと同じだったので包装から取り出したら石突きを切り落として手でほぐす。


自分はキノコは折角の香りが逃げてしまうのでできるだけ洗わないようにしている。


ただし、原木栽培のものは汚れが付いていることがあるので洗い落としたり、濡れたキッチンペーパーでふき取ったりするけれどね。




フライパンはフッ素加工のものを取り出して油は引かずに鶏肉を皮目を下にしてまずは鶏肉を焼く。


鶏肉の表面が白くなったらそこにごぼう、人参、しめじを一気に入れてさっと混ぜる。


混ぜた後、ひたひたになるぐらい水を入れて同時にだし醤油も入れる。


最初は薄めに味をつけておいて、全体に火が通ったら味を見て薄すぎるようならさらにだし醤油を足す。ちょっと濃いめに味付けするのがオススメだ。




今回作る炊き込みご飯は事前に具材に火を通して味をつけておくタイプだ。


まぁ、炊き上げる時に火を通していない具材を入れて一緒に炊き上げるタイプもあるけれどね。




具材ができたら具材を冷ます。


熱々を入れると米が煮えちゃうからね。




で、事前に洗ってあったお米に冷ました具材のうち、最初に水分だけを米とあわせる。


水が足りないはずなので、今回も四合にしてあるので水をのメモリの四合のところより少し少ないぐらいを目安に追加する。


ちょっと濃いめにしてあるので水を足しても薄くなりすぎないんだよね。


で、具材にも水分が含まれているので少し少なめにしておけば炊き上がった時にべちゃっとなりにくい。




水の調整が終わったら具材を上に乗せて、炊飯器のスイッチをオンにする。


炊飯器に炊き込みご飯を炊くモードもあるのでそのモードで炊き上げてもいいし、今回はすでに具材に火を通してあるので通常のモードで炊き上げることにする。




ご飯ばかりだとなんなのでついでに汁物も作ることにする。


乾燥ワカメがあったのでそれとさっき使っただし醤油と卵を一つ。


増えるワカメを水で戻している間に鍋にお湯を沸かして、戻したワカメ、だし醤油を入れる。


味見をしてみて、問題なければ卵を割ってとく。




鍋の中身を沸騰させて、そこに少しづつといた卵を入れて、入れ切ったら一回沸騰させて火を止める。


簡単卵スープの完成だ。好みでごま油やラー油を入れてもおいしいと思いますと女神様に伝えておく。


今回はだし醤油で作ったが中華スープの素で作っても美味しいので、今度また作ろうと思う。




炊き込みご飯が炊き上がるまで女神様にスマホは女神様の世界で使えますか?と聞いてみる。レシピを確認したり、急用で電話がかかってきた時などに使えないと困るのでその旨を伝えると使えるようにしてくれるという返事をもらいそのあとは女神様の世界にはどんな種族がいるのかなど雑談をしているうちに炊き上がる。


炊き上がったらすぐに蓋を開けて余分な湯気を逃がしながら混ぜる。


視線を感じて女神様を見れば口元にキラリと光るものが・・・。




そっと、お茶碗にご飯を盛り、スープも用意してどうぞと手渡すせば、あれだけ生姜焼きを食べたというのに、その細い体のどこに入るのか?といわんばかりの勢いで炊き込みご飯を食べる。




「炊き込みご飯って最高ですよね」




うっとりとした顔で一粒も残さずきれいに食べ切ったお茶碗を机の上に置き、あとは夜食用なので我慢我慢という女神様。


なんというかもう、食いしん坊キャラにしか見えなくなってきましたが、仕方のないことだよね?








女神様に炊き込みご飯を作った後、渡された鍵を扉にかざすと扉に鍵穴が現れる。


それに鍵を差し込んで開けると自分の車の中に繋がっていて車にのりこめば、女神様から好きな時にきてくださいねと言われるのでわかりましたと返事をして扉を閉める。




で、大きく息を吐く。




正直、びっくりして、心臓がバクバクとしている。


手に持っている鍵に夢ではないと理解はできているのだが・・・。




しばらく車の中で放心したままだったのだが、ふと我に帰り、帰宅することにする。


未だに内心驚きやらなんやらで興奮しているので安全運転を心がけて家に帰り着き、いつもと同じようにその日を過ごし、翌日、職場恐る恐る行ってみると女神様の言う通り退職して翌日から有給休暇を使えるという話で丸く収まっていて、自宅に帰ると家族からも転職いいところにできてよかったねという話になっていたりしたりする。




辞めるときのゴタゴタとか、引き継ぎとか、転職するためのバタバタとかそういうの一切無しでなんて、なんて楽なんだろう!!


女神様、ありがとうございます!!

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