あとがき

 今回、テーマ別のカクヨム甲子園を書くにあたり、どのテーマなら書けるだろうかと当初思いを巡らせた。そして、その中で、一番構想が面白く出来そうだったのが、「扉の向こうは不思議な世界」であった。

 「不思議な世界」とはざっくりした表現である。何をもって不思議とするか――

 そのとき頭に浮かんだのは、与謝野晶子先生の詩、『不思議の街』だった。

 個人的な解釈だが、この詩は、現実に自分の生きている世界と全く異なる制度のある街の描写を通して、現代社会への批判・皮肉を描いていると感じた。

 それをヒントとして、『不思議の街』の現代版を書きたい、と思い書いたのが、本作『降りたのは、反対側のホーム』である。

 コンテストの読者対象が中学高校生ということもあり、最後は若者へのメッセージを込めて書かせていただいた。多くの人にそれが伝われば幸いと感じる。


令和元年 8月30日

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降りたのは、反対側のホーム 春都成 @Harutonaru

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