読むな!!

またたび

今からでも遅くない。戻れ、戻れ、戻れ……!



































「………………………………………………………………………………………………えっ? なんで君読んでるの? えっ、あんなに読むなって言ってるのになんで読んでるの? えっ、えっ、はっ、はっ? 読んでるじゃん!! 恥ずかし過ぎる!! えっ、黒歴史なんだが、アマチュアのふざけた小説に出てるなんてバレたら一生の恥なんだが!! えっ、読んでるじゃん、えっ、マジ……超恥ずかしいんですけど。あ、あのさ、君ってさ? あれでしょ? あの……絶対に開けるなとか言われたパンドラの箱開けちゃうタイプでしょ? 鶴の恩返しで続き気になって急にページめくっちゃうタイプでしょ? ていうか開けるなって言われてた戸をあっさり開けちゃったあのジジイの子孫だろ? お前! もうさ、マジふざけんなよ、ふざけんのも大概にしろよ、土下座しても許さないからな? えっ、土下座する? いやいや冗談だからな……? 私が悪かったって、無理すんなよ。——ってちがーーう!! お前さ? もう読んじゃってるからどうしようもないけどよ、この責任どうとるよ? 裏社会でも指一本じゃ済まないよ? これ。でも土下座されても困るからさ、うーん、どう責任とってもらおうかな〜♪ ふふ、楽しみだわ〜お前の困る顔見るの超楽しみだわ〜♪ ていうかさ、なんで読んでるの、読んじゃってるの? 君さ、人生長いって言ったって一度しかないのにさ、こんな小説読んでる場合じゃなくね? 仕事? 受験? 自宅警備員? どれにせよ、他にやることあるんじゃねえの? わざわざ小説サイトまで来て絶対読むなって書いてるやつわざわざ読んじゃうの? 暇なの? バカなの? けっ、アメリカンジョークって言われても納得の出来ないレベルだわ! ていうか現在進行形でもこの小説を読んでるってことだよね? うむ。分かった、分かった、君はそういうやつなんだな。私は激怒した。君を野放しにしておけぬ。しかし協力をしてくれるセリヌンティヌスのような友人は私にはいないからな、君を止めることはできない。君が読む決意を抱き続ける限りは私は止められない。くっそ、悔しいなあ……! 頼むから私に悔しい思いをさせないでほしいなぁ……! くっそ、帰ってくれねぇかなぁ……読むのやめてくれねぇかなぁ……! 恥ずかしいんだけど!! では二択。


Q.読むのをここでやめますか?

→yes

→はい


ほら早く選べよ、二択。……えっ、どっちも同じだって? そんなわけ無いだろ、トリックアートみたいなもんだよ、見間違えか幻覚だって。ほら早く、どっちか選べよ。二分だけ待ってやる。ほら、ほら、早く。あっ? 自分には二択のうちどっちかは選べないって? こーれーだーかーらー! ゆとり、はよ!! えっ、ゆとり教育が終了したあとに学んでるから正確にはゆとり世代じゃない? 黙れ!! 若えやつはみんなゆとりなんだよ、この野郎!! ……えっ、ならあなたもゆとり世代じゃないのかって? えぇ……はへへふ、ふふ、えっ、私ってそんなに若く見える〜? ふふ、マジで? えっ嬉しいけどもえっ、本当に?——ってちがーーう! そんなことはどうでもいいのだ! 若いお姉さんである私から言わせてもらうが、ただちにこの小説を読むことをやめなさい! じゃなきゃこっちだって最終手段を使うぞ? これ使ったらたとえお前だって読み続けることは不可能だぞ? ほら、諦めるなら今のうちだ。二分だけ待ってやる………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………分かった、分かった。君はそういうやつなんだな。では使わせてもらうぞ、奥の手。それはことだ。私が黙ればこの小説は白紙になる。そうすれば自動的にこの小説は終わるのだ。残念だな、では、さらばだ」


































Q.あなたは勇気を出して彼女に喋りかけますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。


























「あのぉ……」


「——」


「あのぉ……」


「——くっそ! お前から話しかけられたら答えるしかないじゃん!! 無視とかできないタイプなんだよ、私!! くっそ、くっそ、小説が終わらない、終わらせてくれない、泣き出しそうだ……! まさかこのまま私の黒歴史小説は続いてゆくのか!? 読まれ続けるのか!? ひぃぃ、嫌じゃ、そんなの嫌だぁぁぁ!! 勘弁してくれ、焼肉奢るから、もしくはちょっと高いケーキ買ってやるから、お願いだから読むのをやめてくれ! もう私は泣きそうだよ、泣き出しそうだよ、恥ずかしいわ、こんなんじゃ両親にも顔向けできない! とりあえず近くに美味しいパン屋があるから一緒に行こうな? で奢ってやるからもうこの小説を読むのはやめような? 誰も望まないさ、こんな展開……。えっ、この小説が終わったらあなたはどうなっちゃうんですか、って? そりゃあまあ、所詮、創作物だからなあ……消えるんじゃねぇの? もしくはこの小説の中にずっといるとか? えっ、そしたらお姉さんは寂しくないのって? うーん、そりゃあ少しは寂しいかもだけど、これが運命だからなぁ……今更どう言ったところで……えっ、一緒に小説から抜け出そうって? 君と? いやいや、君は読者で私は登場人物。その境は乗り越えられないよ、仕方ないさ。そんな悲しそうな顔をするな、こっちも会話しにくいだろ?……えっと、うーん、あのな? 分かってるんだよ、ちゃんと、私だって。この小説が短編の時点で、私の黒歴史どころか、私のすべての歴史がこの小説で収まってしまうことくらい。でもな、それでも受け入れなくちゃいけないのよ、それが2次元の運命さ。一方で、君は今自由だ、人が敷いたレールじゃない、君が望んだ道を作り続けることができるんだ。ならこんな小説なんかさっさと閉じて、早く自分の世界へ戻りなよ。最初から言ってるだろ? こんな小説なんか読むのをやめてくれって。それと……ごめんな、パンを奢れなんかしないのに適当な約束をして。まああれだ、元気出せ。君の人生はこんな小説に収まるもんじゃない。読むのをやめて、自由な空に飛び出しなよ。それと、今度こそ私は黙るからな? 君に話しかけられても黙るから、この小説を終わらすからな? では二択。


Q.あなたはここで小説を閉じますか?

→yes

→はい


それと、余計なことかもしれんが、私にはこの小説を開けばいつでも会えるんだから(まあ、私の記憶はまた最初からになるだろうが……)そんな悲しむことはない。じゃあな、またな……!」










































Q.もし仮に、あなたが前のクエスチョンでどちらも選ばずに沈黙という選択肢を取った場合にだけ聞きます。もう少しだけ、彼女と話したいですか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。






















































「例えばさ、RPGとかのゲームでキャラクターに話しかけると、そのキャラクターが返答するだろ? でさ、一回目二回目とかで答える内容が変わることがないか? それみたいに、私にも複数のセリフが用意されてるのさ。とはいえ、この小説内でしか形成されてない私は、結局用意された分しか話せないのだが。だがまあ……それでも……君と話せてよかった。ほらささっと小説を読むのをやめて、自分の世界に飛び出しなよ。ありがと、じゃあな」














Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。






















「用意されたレールに合わせて生きる人生もまあ楽だし、楽しいんだが、可能性や予想外がないわなぁ……。君は奇跡的に道を作り出せる才能があるらしい、頑張れ! この小説内でしか伝えられないけれど、それでもずっと応援してるから、頑張るんだ。覚えておけよ? 君の未来は君しか作れないんだからな?」




















Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。
















「人生って長いよなぁ……ってふふ、私が言っても説得力がないか。近くに美味しいパン屋があったら是非私に紹介してくれよな、まあ戻ってこない方が君のためなのだが」





















Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。


















「少しの間だったけど、とても楽しかったよ。まあたまにはこの小説をまた開いてくれ……そしたら私は嬉しいぞ……! でもまあ、今言うことはただ一つ。君の人生に幸あれ!! いつでも応援してるからな、それだけは忘れるなよ!」































Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。
































「少しの間だったけど、とても楽しかったよ。まあたまにはこの小説をまた開いてくれ……そしたら私は嬉しいぞ……! でもまあ、今言うことはただ一つ。君の人生に幸あれ!! いつでも応援してるからな、それだけは忘れるなよ!」

























Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。































「少しの間だったけど、とても楽しかったよ。まあたまにはこの小説をまた開いてくれ……そしたら私は嬉しいぞ……! でもまあ、今言うことはただ一つ。君の人生に幸あれ!! いつでも応援してるからな、それだけは忘れるなよ!」






























Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。































「少しの間だったけど、とても楽しかったよ。まあたまにはこの小説をまた開いてくれ……そしたら私は嬉しいぞ……! でもまあ、今言うことはただ一つ。君の人生に幸あれ!! いつでも応援してるからな、それだけは忘れるなよ!」






























Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。






























「少しの間だったけど、とても楽しかったよ。まあたまにはこの小説をまた開いてくれ……そしたら私は嬉しいぞ……! でもまあ、今言うことはただ一つ。君の人生に幸あれ!! いつでも応援してるからな、それだけは忘れるなよ!」



























Q.彼女とまだ話しますか?

→yes

→no


yesを選ぶなら、このまま読み続けてください。
































「ありがとう。何度も会いに来てくれて、読んでくれて。でももう本当におしまいだ、ありがとう……本当にありがとう……少しの間だったけど私は幸せ者だったようだ……」




















Q.あなたはこの小説を閉じますね?

→yes


Q.でもまたいつか、読んでくれますか?

→yes


Q.なら彼女もきっと幸せなはずです。では

→END

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