第3話
「グググ・・・、ここは・・・?」
見渡す限り白一色の世界に唐突に放り出されて困惑しない人間はいるのだろうか・・・?
「ハッ!そうか!つまりそういうことか!」と何やらひとり合点するバカが一人。
「うんそうだよな、そうに違いない・・・」
ぶつぶつ呟きながらウロチョロしていると、背後に気配が!ナニヤツ!
「ぬぇい!何者だ!姿を現せ!」
気配を感じ、背後を振り向く!そこには白いウサギが!
「大変だ優人!悪ーいモグラとフクロウがウサギたちのニンジンが保管してある倉庫を襲っているんだ!」
と緊急事態をウサギから聞いて血相を変えるバカ!
「なんだってそれは本当か?!なんて悪い奴らだ!」
そう言うや否やウサギを引き連れ走り出した!俺たちのニンジンを守るために!
倉庫に到着するや、悪鬼達に果敢にとびかかるウサギ!
「コラー!それはウサギたちのニンジンだぞぅ!」
倉庫をドリルでこじ開けようとしているモグラに右左とパンチを繰り出す!
「うわー!痛いモグー!」
マウントを奪いパンチを繰り出しているウサギに恐るべきフクロウが強襲!
「出たなスペースウサギとふにゃふにゃブラック!」
だがふにゃふにゃブラックに阻まれ強襲は失敗!無残!
「ホー!あと一歩のところで!」
地中戦闘ユニット「モグドン」とともに間合いを開けるために飛び退る。
「やいやい!スーパーウサギとこのべちゃべちゃブラックが来たからには好き勝手できないぞ!」
ブラックからの言葉にホホホと余裕そうに笑うフクロウ!
「ホホホ!今日のフクロウたちには秘密兵器があるのだ!」「なんだって(驚愕)!」
「出でよ白黒オルカ!」とフクロウが叫ぶと急にあたりが暗くなる。
雲が出てきたのか?だとしたら濡れちゃうからやだなぁ・・・。
違う!何か大きなものが降ってきてるのだ!
逃げる間などなかった。全員が降ってきた大きなものに潰されてしまった!
「キュー!」「「「「うわー!!!!」」」」
------------------------
「キュー!」「うぅ・・・、ブラックは滅びn・・・・・・ハッ」
どうやら夢を見ていたようだ。どんな夢を見ていたかはもうほとんど覚えていない。
だがひどく変な夢だったことは覚えていた。
それよりも気になったのは腹部に感じる重みだった。
そこにはジンベーがいた。その上に白玉が、さらにその上にオールが、頂上にはモグドンがいた。
「(ブレーメンの音楽隊かよ・・・)おいお前ら、起き上がるからどいてくれ。重い」
やっとこさ起き上がった時には眠気がすっかり飛んでしまっていた。
(まだ7時じゃねぇか・・・、日曜なんだしもっと寝させてくれよ・・・)
ぼやきながら身支度をし、リビングに入り朝食をモソモソ食べていると、起きたばかりの父が今日の予定を聞いてくる。
「んぐ、今日はね、海行く、私、すぐに」
海に行くという優人に、父は驚いたような顔を作る。
「えっ今から?・・・飛んでいくのかい?」「んなわけあるか。ギルドのワープ使うんだよ」
ダンジョンの時空間異常の研究結果を有効利用しようとした結果生まれた物の一つに、長距離を一瞬にして移動できるワープというものがある。
ギルドはそれをいち早くサービスに取り入れ、ランクが上がればどんどん使用料が安くなる、というサービスでぼろもうけしていた。
彼のランクはCなので、半額ほどの値段で使用できた。
「でもワープって高いんじゃない?」という父からの疑問に「そーね」と適当に受け答えしながらさっさと家を飛び出して行った。
「まだみんな起きてすらいないのに・・・、元気だなぁ」と父はそんな優人を見てついそんなことを口にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます