おい!!そこの「自称」陰キャ!!!

@arutiarutiwww

第1話 陰キャあるある「脳内の自分と会話する」

「いっけなーい!遅刻遅刻ぅ!私、高校1年生の田中美由!え〜っと、」

そんなことを考えながら、全力疾走をしている。ガンダだ。ガンダッシュだ。

「『いっけなーい(笑)』とか無駄なことを考えずに走ることに集中しなさいよ」

脳内の田中美由(冷静モード)が愚痴る。

お前らうっせぇんだよ。こっちは走ってんだよ。30分かけてセットした髪がもう台無しだよ。ぼっさぼさだよ。

リュックをガタンガタンガタンガタン!!!と物凄い音をたてながら田中美由は走り続ける。

ダダダダダ\ピッ/ダンダンダンダン「ダァシリエースゴチューッサァイ」\プシュー/

「間に合ったァ、、、良かったぁ」


「今日もぎりぎりね、美由。寝坊でもしたの?あら、髪が乱れてるわ...櫛を貸してあげる。」


友達だと思った?残念。そんな都合良く電車で友達と出くわすわけねぇだろ。こちらに冷たい視線を向けてくる知らない人しかいねぇよ。ちなみにさっきのは昨日読んだラノベの黒髪ロング美少女巨乳先輩のセリフ(名前に一部改変あり)だ。こんな先輩現実にいね〜〜よ、と思いながらも読んじゃうんだよなぁ読みふけっちゃうんだよなぁ、最新刊面白かったー。


それにしても、なんでみんな「友達と通学」なんてできるんだろうなぁ。朝練の有無とか家出る時間とか最寄り駅とか、いろいろあるだろうに...

きょろきょろと見回してみても、ぼっち高校生は私以外に見受けられない。

「いや、さすがにたまたまっしょ。いつもはおひとりさんもいるって」

「それな!そうだよねうんうん」

自分で自分を励ましていると、







「えっ寝てた」


学校の最寄り駅に到着していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おい!!そこの「自称」陰キャ!!! @arutiarutiwww

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ