湿気と暑さのなかで寒さと赤い槌に打ち砕かれた鍵十字の神話を読む (2019年8月6日(火)~8日(木))

2019年8月6日(火)


今週は湿気が強くてげんなりする。職場の除湿器くんは懸命に動いてタンクいっぱい湿気をとってくれているのだが。

定期予約の論創海外ミステリー新刊を受け取りに生協書籍部へ行くと、新書コーナーに目下品薄の『独ソ戦』発見。これも買ったったった。


購入本

『眺海の館』ロバート・ルイス・スティーヴンソン, 論創社, 2019

『独ソ戦 : 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書) 大木毅(赤城毅), 岩波書店, 2019


さてしつこく『点と線』。

随所に時刻表パズルを情念で塗り固める演出がされたテレ朝テレビ版であったのだが、鳥飼刑事が従軍中に中支仏印また中支とあちこち歩かされたことになっていたり(途中でデヴィッド・ボウイ似の英軍捕虜に遭遇してそうな顔だからねえ)てのはまだいい(あまりよくないけど)として、安田夫妻が昭和21年に北九州の香椎の海岸を新婚旅行していたというのはどうにもよろしくない。外食券がないと(あるいはあっても)旅行中まともにめしがくえない、汽車の切符もなかなかとれない、『不連続殺人事件』での坂口安吾のいいまわしだと、席にもすわれずトイレにも行けず、が平均的汽車旅行の時期なわけで。


たけし鳥飼刑事の帽子は「それも古いもので、ふちが歪んでいた。」(新潮文庫改版p33)とある。ずいぶんとふちの歪んだ帽子を忠実に被せているが、ハタと思い付いた。

筑豊地方が舞台と推定される4コマまんががある。虫とネコ成分の多い高校美術部まんが『スケッチブック』(小箱とたん, マッグガーデン, 2003-)(既刊13冊、出張版1冊)の主要人物のひとり、ちょっとみみっちいキャラの鳥飼さん(鳥ちゃん)がほぼ帽子姿で登場するキャラクターなのだ。これは、鳥飼刑事を意識していたデザインなのだろうか。



2019年8月7日(水)


あすが病院にいくので休みをとってる日なので、しかも来週はお寺にいかなきゃならない週なのでほぼ平日休みをいれてる週なので、いろいろ片付けようとするんだが、こういうときにかぎって、書庫に本を戻しにいったら要補修本を次々みつけてしまったりする。つみあがる要補修本。



2019年8月8日(木)


朝から採血して、もろもろおわって会計、→薬の院外処方、とかなんとかで病院がらみのことがおわるのは午後も遅く、あいまあいまの待ち時間で大木毅『独ソ戦』。

外は雨が急に降ったりやんだり。


べつに『点と線』から『独ソ戦』という語呂合わせではないんだ。ちがうんだ。

ギバちゃん演じるテレビ版『点と線』の安田は、原作にはない、元関東軍ですくなくとも尉官くらいだったように設定されているが、その後付け設定がどうにか生かされてるのは、ラスト間際で竹中直人の某省高官を平手打ちするシーンくらいだったなあ。息するように自然ないきなりのビンタ。


東部戦線が独有利で膠着したパラレルワールドでの警察ミステリ『ファーザーランド』(ロバート・ハリス, 文春文庫, 1993)、復刊してなかったかなあと思ったけど、復刊してないなあ。

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