「書物文化」プレ企画 書物と生きる日常日記パイロット版

積読荘の住人

八月は熱帯夜とともに来る(2019年8月1日(木)~2日(金))

2019年8月1日(木)

本のある日常日記、われわれはどのように本と暮らしているか、というコンセプト、と編集長本屋のカガヤ氏から指定されたわけだが、暑いのである。食欲だけじゃなく本を読む気力もけずられているのである。


とはいえ働かんわけにはいかんので、職場に出かけ、ちまちま本の修理など(考えるな、手を動かせ)。

旧外地含む各地の研究機関が戦前に出した刊行物で、ステープラで束ねて糊でかためてるタイプのもの(資源・地質関係がメイン、後年の占領地となる地域の地誌なども)、経年劣化でステープラが錆でボロボロ、両見返し付近のページはステープラのところから破れ始め脱簡寸前、なんてのがいくらでも書庫で声なき悲鳴をあげている。

針をはずし分離して破れを裏打ちなどして、ステープラ孔を再利用して糸で束ねなおし。時間がかかります。


この日のNHK-BS「ダークサイドミステリー」は三毛別の羆。前の週の吸血鬼よりおっかない。


熊の登場するミステリはあったかな、などとぼんやり考えておもいつくのは、福永武彦=加田伶太郎の伊丹英典もの短編「湖畔事件」くらいか。SFであればアンダースン&ディクスンの「ホーカ・シリーズ」は、見た目は熊だが異星人。



2019年8月2日(金)


小松の親分さんならこういうに違いない、「暑いね、あちーね、あちーね・ディートリッヒ」

おはようござますあつうござます。


昨日の三毛別の羆、『氷室の天地』12巻で、遠坂の代打ちで「英雄史大戦」に参戦した月見の角隈くんが初戦デッキにいれてましたね。

わたくしは氷室読みのFGOしらずだったりします。ソシャゲとか苦手なんすよ。デイリーでなんかやらなきゃなんないと苦痛になってきちゃって、旅かえるも続けられなかった。


塩気がほしくてこの日は朝も晩も鮭の切身を焼いた。でも最近の鮭の切身は昔ほど理不尽なしょっぱさはないですね。理不尽なくらいこれでもかって塩をふいた焼き鮭のハラス、おにぎりにいいんですけどね。


鮭/鱒が印象にのこるのはパトリシア・モイーズ『殺人ファンタスティック』。ちょっと変だけど気のいいマナーハウス住みの名族ご一家マンシプル家のみなさんは戦後の資産課税強化でいまや青息吐息だけとなぜか切迫感なく、節約だー、と自領の川に遡行した鱒を釣って食べていたり。

先行するナイオ・マーシュ『ランプリイ家の殺人』とどこか共通する雰囲気を指摘されてもいたはずで。


けっきょくこの二日間本は読めてません。

職場で『ワイルダーの手』上巻とか、月末の翻訳ミステリー札幌読書会(課題本はジョセフィン・テイ『時の娘』)の準備にトレヴァー・ロイル『薔薇戦争新史』とか借り出したけど、まだ手をつけられず。


(2019.8.3午後誤記修正

誤)『ワイルダーの死』

正)『ワイルダーの手』)

(2019.8.8タイトルの日付表記を手直し)





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