第25話


「いやぁ、晴れてよかったなぁ!」


今日は朝早くからガンツさんのところに行って船を出してもらい海に出ている。

正直船が消える原因を現地に行って調査するなんてめちゃくちゃ怖かったけど、海は透き通ってて綺麗だしものすごく天気も良いし風は気持ちいいしで今のところは怖いところなんて全然なしだ。


「2人とも!

もうすぐ1件目のポイントにつくぞ!」


「はい!」

「あぁ。」


あれから少し進むと船が止まった。


「このあたりが1件目の船が消えた場所だな。」


「うーん、何かあるようには見えませんね、あおいさん。」


「【索敵】。

そうだな。魔物はちらほらいるが船が消えるほどの強い魔物の反応はないな。」


「何もなさそうですし次に向かいましょうか。」


移動すること10分。


「ここが次のポイントだな。この辺で消えてる。」


「う〜ん、この辺も特に不審な点は何も見当たりませんね。」


「そうだな、何もなさそうだ。

次に行こう。」


3、4件目のポイントに移動したが全く何もない。

ただの海だ。


「全然手がかりがないな。」


「次で最後ですね。

何か見つかればいいんですけど。」


また移動すること15分、最後のポイントに着いたが特に不審な点はない。


「結局最後のポイントも何もないですね。」


「そうだな。

一旦戻って何か他の方法がないか考えて・・・ちょっと待て。

何かが凄い勢いで近づいてくる!」


ザッパアァァァアン!!!


「クラーケンだ!」


「でっかいタコだーーー!!!!

って、うわっ!揺れる!!

あおいさん!船がミシミシいってます!

このタコ船を海に引き摺り込もうとしてますよ!!」


「わかっている!

水を纏っているから火はだめだ。

風魔法で攻撃するんだ。」


「攻撃するんだ、じゃないですよ!

あおいさんも一緒に戦ってくださいよ!!」


「みどりならこのくらいは倒せるだろう。

良い経験になるぞ。」


「死んじゃいます!まじで!!

こんな大きくて強い魔物なんて戦ったことないですよ!スパルタすぎる!!!」


「おい!

2人ともどっちでもいいからとりあえずどうにかしてくれ!!

このままじゃ船が沈んじまう!」


あーーーー!もう!!

やるしかない!

危険があるのに船を出してくれたんだ。

もし船に何かあったらガンツさんに申し訳ない。


いつもの何倍もの魔力を使い魔法を放つ

「【ウィンドカッター】!!」


ぬるんっ!


「うわぁ!あおいさーん!

このタコぬめぬめで風魔法を弾きます!!」


「粘液が邪魔なら取ってから攻撃すればいいだろう。」


「えーと、えーと!

火魔法はダメだし、土でも木でもないし・・・。

あっ!そうだ!」


ウィンドカッターレベルの魔力じゃ全然足りない。

もっとたくさん魔力を込めなきゃ。


「っ!いけっ!!

【トルネード】!!!」


風に巻き上げられて粘液が剥がれててく。


「いまだ!【ウィンドカッター】!!」


「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」


「嬢ちゃん、すげえな!!」


「みどり、よくやったな。」


ぽんぽん


ひゃぁぁぁあ!

国宝級イケメンの頭ぽんぽん!!


せっかく生き残ったのに死んでしまいそうです。

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