第23話

手頃な宿をとり、散策へ向かう。


「ここは港町だからな。

いろいろな場所から運ばれてきた物が沢山ある。珍しい物も見つかるだろう。」


すごい。

日本にはないような物がたくさんある。

完全にファンタジー映画の世界だ。


「ふわぁぁぁ、いい匂い!!」


「この辺は食べ物を売っている店が多いな。

新鮮な魚介類が食べたかったのだろう?

アイテムボックスもあるし、しばらくは好きなだけ食べれるぞ。」


「海老が大きい!

すごいですね!日本では見たことないです!」


伊勢海老サイズの海老が網でジュージュー焼かれてものすごく美味しそうだ。


「こっちの食材は魔物の場合もあるからな。

大きい物もある。」


「私この海老食べたいです!

おじさん!この海老5つください!」


「毎度あり!5つで大銀貨4枚だよ。」


支払いをし、海老を受け取り3つはアイテムボックスに入れる。


「はい、あおいさんの分。」


「え?」


「せっかくなので一緒に食べましょう!

美味しそうですよ。」


「あ、あぁ。ありがとう。」


なかなか食べ始めない。なんでだ?

あ、やってしまった!もしかして海老苦手だったのかな。


「ふっ、百面相だな。

海老は好きだ。

だがこういう風に食べ物をもらったり食べ歩きをしたことがなかったのでな。驚いただけだ。

たまにはこういうのも良いものだな。」


そうだったのか。

食べ歩きをしたことがないのはびっくりだけど、たしかにあおいさんは食べ歩きをするイメージがない。

でも海老が嫌いじゃなくてよかった!


「私、この旅行では美味しい物いっぱい食べるって決めてたんです!

せっかく屋台がこんなにたくさんあるんだしあおいさんも私の食べ歩きに付き合ってくださいね!

あ!あおいさん!

あっちの貝も美味しそうですよ!」


「ふふっ、わかったから走るな。

迷子になるぞ。」


この日1日は色々なお店を周り、買い物と観光で1日が終わってしまった。






「今日は冒険者ギルドに行こう。

一応、今回はほかの街でも依頼を受けてみようという話で来たんだからな。」


「わかってますよー!

忘れてません。」


「あそこがこの街の冒険者ギルドだ。」


「大きいですね!」


「まぁ、街自体大きいからな。」


ギルドに入り、依頼を確認する。


休みのたびにエスティエーリルに来ては冒険者活動をしていたおかげでCランクになっている。CランクならBランクまでの依頼は受けられる。

Cランクは結構なベテランレベルらしい。

アオイさんからはまだまだといわれけどね。


「これなんかいいんじゃないか?」


「海の調査ですか?船が消える・・・?


「あぁ。

ここ最近5隻の船がロイヒテンデスを出た後に次々と行方不明になっているそうだ。

その原因の調査だな。

遠目でだが船が海上で突然消えるのも目撃されているらしい。

魔物によるものなのか、なにかの事故がおきているのか。

港町ならではの依頼だろう。

報酬も良いし、これなら船代を払っても手元にお金も残るだろう。」


「船代?

まぁ私よりあおいさんの方が詳しいですし、お任せしますよ。」


「あぁ。調査の時に乗せてもらう船にも謝礼を払わなければいけないからな。必要経費だ。

じゃ、これに決定だ。

この依頼を受けたいんだが、手続きを頼む。」


「かしこまりました。

あ!あの。この依頼なんですけれども何組か冒険者パーティが調査に行ったのですがうまくいっていなくて。

かなり難易度の高い依頼になっているのですが、大丈夫ですか?」


「大丈夫だ、手続きを頼む。」


「はい、では気をつけていってらっしゃいませ。」


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