第2話



「み、み、耳が!!」



「あーあ、ばっちり見られちゃってるよ。」


驚いている私をみて獣耳マッチョが言った。



なになにどういうこと!!?

偽物・・・じゃない!!動いてる。



「はぁ、春が急に扉を開けるからだろう。」


「ご、ごめんなさい。」



「な、何!?どう言うこと!?なんで耳!!?

はっ・・尻尾まで!!!」


「はぁ。少し落ち着け。」


銀髪に吸い込まれそうになりそうなほど綺麗な青い瞳。見たこともないくらい綺麗な男性が冷たい目でこちらを見下ろす。


「 ここは、私が営む店だ。」


「お、お店??」


「あぁ、魔法用品や回復薬等、いろいろ扱っている。」


「魔法!?

魔法なんてそんなものあるわけ・・・」


そう言いかけ、みどりは店主の横を見る。

横には筋肉マッチョ。

耳と尻尾がぴょこぴょこ動いている。

・・・生えてる。


「獣人だっているし、魔法だってある。

魔法使いが出てくる童話なんて世界中にある。

これで魔法使いがいない方がおかしいだろう。

この店は正体を隠して地球に暮らしている者たちが集まる店であり、向こうの世界へと繋がる扉でもある。」


「・・・向こうの世界??」


「私たちの故郷。

人間が異世界と呼ぶ世界だ。」



この店は魔法使いやら獣人やらが普通にいる異世界 エスティエーリルに繋がっているらしい。

異世界なんて全然信じられないし冗談なのか?とも思ったけど、実際目の前にぴょこぴょこ動く獣耳と尻尾の生えたマッチョがいるのだ。



「さて、今までここには人間はこなかったし、ここのことはバレていなかった。

が、今回春が文月を急に連れてきたことによりバレてしまった訳だが。

異世界があるなんて外にバレたらどうなるか・・・わかるだろう?」


「な、内緒にします。絶対誰にも言いません!!」


「そんな口だけの約束、信じられんな。

選択肢は2つ。

このまま口封じのため異世界に放り出されるか、魔法をかけられ、監視されるかだ。」



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