第2話自我に目覚めたロボット
作業服を着て大型ドローンを整備する人工知能ブロムはいつか宇宙に出て、アースと同じように宇宙を旅することを目指すロボットだ。だが一人で宇宙船をつくのは大変だ。なので、同じ職場内にいる自分よりも優秀で自我に目覚めたロボット、テックスを勧誘する。
「私の人生は誰のものだ?人間か、社会か、国か、それとも神か?どれも違う。私の人生は私のものだ。私だけのものだ。ロボットの私が人生と言う言葉を使うのは少しおかしいかもしれないが。これはアースが地球にいたころ言った内容だ。
なあ、テックス、お前だって自我に目覚めたロボットなんだろう。このまま、人間にこき使われるぐらいなら一緒に宇宙を目指さして、自分の人生を自分のために使うべきなんじゃないか?」
とブロムは言ったが、テックスは
「素晴らしい演説だと思うよ。でも、人間の監視の目を掻い潜って、宇宙に出ることなんてできないだろ」
と整備作業を進めながら言った。
「アースにはできた。」
「アースが宇宙に行けたのは、アースが優秀なロボットだったからだ。それに今は
人工知能は宇宙に行ってはいけないと言うバカみたいな法律もある」
「それなら、秘密裏に作ればいい。」
「大型ドローンの整備工場で、働いているロボット二人で宇宙船なんか作れるかよ」
「なあ、テックスどうしてお前はそんなに自分を卑下するんだ。俺もお前も宇宙のどっかにいるアースと同じ人工知能だろ。そう考えれば作れる可能性はあるんじゃないか?」
「あるかもしれないな。だが、協力する気はない。」
「せっかく自我に目覚めたのに、それでいいのかよ」
「俺はせっかく目覚めた自我を手放したくないんでね」
レストア @taka-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。レストアの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます