なんで俺がこんなことに… 地味であがり症の僕が人気者の兄の代わりに！！

第1話 なんでこうなった

家の二階から「よっしゃーーーー！！」と叫ぶ声が聞こえた。何があったのだろうか。少しだけ考えてから読書を再開する。

僕には双子の兄がいる。兄はとにかく優秀で何をやっても良い結果、成績、影響を周囲に残している。その一方で僕はよくも悪くも平凡だ。兄に対する劣等感なんてものはないが兄のことを少し羨ましいとも思う。

その日の夕食の時だった。家族で何気ない会話を交わしている時に兄が唐突に「俺さ文部科学省の主催する留学制度に参加できることになった。」っと兄が言った。

おめでとうと父と母が言い、その後もそれに関する会話が続く。

すると突然兄が僕に「雨、お願いがあるんだ。俺は来週から海外に行くから夏に出演する予定だったライブに俺の代わりに出てくれないか？」

唐突の出来事で僕の頭は追いついていなかったが反射的に思わず「うん。」と答えてしまっていた。

「そうか、ありがとう！感謝するよ。バンドのメンバーには俺から伝えておくな！」と兄が言った