chapter2 異世界

「ここは・・・あの世か?」

そうボソッと呟くと、俺は立ち上がった。

ただ、周りを見渡すとそこは中世期ぐらいの建物が並ぶ街の花壇の上だった。

そして、その周りには鎧姿の兵士が数十名俺を取り囲んでいた。

すると、兵士の一人が

「動くな!!」

と手に持っていた槍を構え、矛を俺に向けた。

一体何がどうなっているやら。

とりあえず、何が抵抗しないとこの世界でも俺は死を迎え、二度死にしてしまう。

だが、俺には拳銃やらそんな物何も無い。

どうしようかと思って右腕を見たら、悪魔の様な手に変化していた。

「貴様、能力者だったのか!!しかも、異形種の!!えーい、かかれー!!」

と、兵士全体俺に襲い掛かってきたから俺はひたすらその右腕を振りかざし、何が強い戦闘機や戦車、軍勢があればと考えていたその瞬間、一人乗りの小さい戦闘機が突然俺の目の前に現れ、俺はその戦闘機の操縦席に乗り、その場を後にした。

本来、操縦経験の無かった俺は何故か戦闘機を操縦する事が出来た。

そして、街からかなり離れた平原に俺はそこに戦闘機を着陸させ、降りた後自分の右腕を確認した。

右腕は元に戻っていたのと、後ろを振り向いた瞬間に小型の戦闘機は既に消えていた。

「一体なんだったんだ?しかもアイツらが言っていた能力って」

俺の頭の中には疑問が残るだけだった。

そして、草原で茂った平野を見渡して

(辺り一面に花が咲けばいいのに)

と思った瞬間、一斉に花が咲き始め、花畑へと変貌した。

その瞬間、俺は確信した。

自分自身の能力は、想像した事を現実にする能力ちからだと。

そして、先程怯えていた街の人や兵士や自分の負の感情を感じた瞬間に力が湧いて来た事に。

とりあえず、試しに花畑にあぐらを書くように座り、腹が減ったから手に軽食が出るように想像すると、そこにおにぎりが一つ出てきたのでそれを食べた。

食事を摂った後、来ていた服を確認すると、飛び降りる前の格好と一緒だが、体は無傷でも服は血まみれだったから、想像した深緑のフード着きマント、黄土色の民族系のロングシャツに

緑のサルエルパンツ、そして茶色いブーツに一瞬で衣替えをし、四駆の車を想像で出し、車の後ろには想像で作ったこの世界のお金を大量に積み込み、運転席に乗り込み車を走らせてその場を後にした。

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