chapter1 出会い

目を開けたら、ベッドの上に俺は寝ていた。

そして、体を起こし辺り一面を見渡した。

「ここは、何処だ?俺は一体何があったんだ?」

そう呟いていると、何処からかいい匂いを感じた。

すると、奥の部屋から長い金髪で目の色が青いゴスロリみたいな服を着た俺と同じぐらいの歳の可愛い女の子が現れた。

ただ、見た所表情が何処か暗い感じの笑顔を見せながら、俺に語りかけた。

「良かった・・・ようやく目が覚めたみたいね」

「君が、俺を見つけたのか?」

俺がそう問いだたすと彼女は、

「ええ、湖の湖畔の所で貴方を見つけたの。ところで貴方はどうしてあんな場所で倒れていたの?」

そう言われたから俺も

「ごめん、俺もそこに倒れていた事もこれまでの事も思い出せない・・・」

と少し苦い表情をしながら、そう答えた。

すると、彼女は

「そう、記憶が失ってる状態なのね・・・これから少しずつ思い出せると良いわね」

と、優しく俺に言った。

「とりあえず、わずかだけどこれを食べて」

と彼女は、俺に一つのパンと水を渡した。

「ありがとう」

そう言いながら俺はパンと水を口にした。

その後、俺は小屋から出て湖一面を見渡した。

(俺は一体何者なんだ?どうしてこんな場所に居たんだろう、俺の名前は、確か・・・)

そう思っている瞬間に、俺は何かの気配を感じた。

「ガルルルルルルル・・・」

見た事ない狼に似た姿をした化け物の群れだ。

群れは俺に襲いかかろうとしてきた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

俺は叫びながら、ひたすら走って逃げた。

そして、すぐに追い詰められ絶体絶命かと思った瞬間、数発の銃声と化け物の断末魔が聴こえた。

「大丈夫!?」

彼女が俺の元に駆けつけた。

そして、彼女の手には草花で型取った様な拳銃と、刃先が茨で出来た剣を持っていた。

「ここは私に任せて、あなたは私の後ろにいて!!」

そう言うと彼女は、襲いかかってくる化け物を茨の剣で薙ぎ払い、もう片方の手に持っている植物の銃で遠くの化け物も百発百中で当てていき、気づいたら大量の化け物の死体が辺り一面に散らばっていた。

だが、後からぞろぞろと化け物が後ろから

数え切れない程現れ始めていた。

「ハァ・・・ハァ・・・」

彼女も流石に息を切らしていた。

無理も無い、もう既に50匹以上倒している訳だから。

それでも、キリがない程奴らは現れる。

流石に万事休すか・・・

そう思っていたら、突然俺の体から熱い何かを感じ始めた。

そして、俺は自分の右手を見ると

「これは・・・」

手の平から炎が湧き上がってくるのを感じた。

「これなら、俺でも・・・」

そう確信し、俺は彼女の前に立った。

「え・・・?」

彼女は少し動揺した様に見えたが俺は構わず、奴らの群れを睨み付け、

「来いよ、この化け物風情が!!!!」

と怒鳴り散らしながら、手から大量の火炎を放ち、奴らの群れを残さず一瞬で全滅させた。

そして、湖畔一面は一瞬にして焼け野原となった。

後ろを振り向き俺は彼女に

「大丈夫か?俺を助けに来てくれてありがとな」

と、優しく微笑みかけながらそう言うと、彼女は

「私こそ、助けて貰った方だからお礼を言う方よ、ありがとう」

と答え、その後に

「あなたのその能力、どこで得たの?」

と質問してきたから俺は、

「わかんない、ただこのままじゃ行けないと思っていたらいつの間にか右手が熱くなって、それで、無我夢中になって攻撃してた」

って返した。

実際、嘘ではないし俺自身もこの能力を持っている事に衝撃を受けているからな。

だが、この場所に留まるのもいつ化け物がまた襲ってくるかもしれないし危ない。

だから俺は彼女に、

「このままここに居るってのも危ないな。すぐに場所を移さないと」

そう提案すると、彼女は

「そうね、ここにとどまってても危ないし、あなたに色々と説明したいことがあるけど・・・」

そう言うと彼女は、俺の前に手を差し出し

「まだ自己紹介がまだだったわね、私はルーシェ」

とルーシェが名乗ると

「ただ、あなたの名前を聞きたいとこだけど、

記憶が無いのよね・・・」

と後ろめたい表情をし始めたから、咄嗟に俺は

「いや、さっき名前を思い出した。俺はレイジだ宜しくな」

とルーシェが差し出した手を握りお互いに握手を交わし、その場を後にした。


場所が変わり、とある国の一角にて。

「チッ・・・あのガキが現れなかったら、あのアマの手柄は俺のものだったって言うのによ」

ガラが悪い、兵士の男がそう呟いていると後ろから、恐ろしい程の威圧を放つ大柄の男が現れ

「別にいい、1人増えた所で我々の敵ではない」

と言い放った。

すると、ガラの悪い兵士が

「隊長、あのアマとその連れのガキほっとくといずにもやいばが届く脅威になると思うんですがねぇ。その辺はどうお考えですかぁ?」

と質問すると、隊長は

「何、今の所は脅威に値しない。いつでも詰めれる状態だ」

と答え、それにガラの悪い兵士は

「そうですかぁー、分かりましたよ隊長。

まぁ、あの影のシャドウウルフの群れは俺の中ではいとも容易く作れる可愛いペットちゃんなんで、本気出したら一瞬でドーン!!ですわー!!」

と、言いながら

「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!」

と気持ち悪い笑い声を出しながらその場を後にした。

一方、大柄の隊長の方も

「あの女はともかく、あやつの作った狼の群れを一瞬で灰にしたと言われる男の方が厄介かもしれんなぁ・・・うーむ、上層部に伝えるか否や・・・」

とブツブツ独り言を言いながらその場を後にした。

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