記憶の断片

園藤 雅也

プロローグ

あれから、どれぐらい走ったかな・・・

ただ逃げるように私は走り続けた。

そして、いつの間にか1人になり、残ってるのは大量の金貨とわずかな食料。

身も体もボロボロで精神もどんどん擦り切れていく・・・

気がついたらしらない森にまで来てしまった・・・

そして、私は走るのを辞め、数分間息継ぎをし、深呼吸した後歩き始めた。

どうして私はこうなったの?

ただ、平穏に過ごしていただけなのに・・・

それに、こんな能力も欲しくなかった・・・

いつまで私はこのまま逃げ続ければいいの・・・?

もう私、疲れたよ・・・ん?

そう思っていると、森の奥の湖にまで辿り着いていた。

「綺麗・・・」

そう思わず呟いて湖の周りを見渡したら、湖畔に人が1人倒れているのを発見し、私はすぐに駆け寄った。

その人は私と同い歳ぐらいの黒い短髪の男の人で、青い寝巻きのような変わった服を着て、足には見たことが無い足先とくるぶしあたりから下の裸足が見える靴を履いていた。

「まさか・・・死んでないよね?」

そう言いながら私は、恐る恐る彼の脈を測った。

大丈夫、脈はある。

とりあえず、安全な場所で彼を休める場所を見つける事ね。

私自身も、走り続けて疲れている筈なのに、何故か彼を背負って歩けるだけの力は残っていたのに驚きを隠しきれなかった。

そして、一つの小さい年期の入った小屋を近くで見つけ、その中にベッドがあったから彼を横にしてあげた。

そして、いつの間にか夜になり私自身も小屋にあったソファーに横になりそのまま深い眠りについた。

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