第三章・ケイジ ~はじまる恋、おわらせる恋~

第14話・そろり、動き始める

 「くっぅぅぅぅぅ……」


 最後の設問を解くのと同時、放り投げるようにシャープペンシルを転がして、啓次は大きく伸びをする。


 数時間にわたって勉強机にて向き合い続け、まるで読書をしている時のようにドイツ語の問題集の世界に没頭していた弊害だろう。


 どれだけ体を解してみても頭はうっすらと霞がかかり、そのボンヤリとした思考の中を、重厚かつ妙に男心をくすぐってやまない響きの独単語がしばらく飛び交っていた。


 Dietrich:「Ich sehe nur dich.」

  ―― ディートリヒ:私はあなたしか見えません。


 Alberta:「Aber es ist ein Schwein?」

  ―― アルベルタ:でも、それは豚なのだけれど?


 「……いや、どういう状況なの、これ?」


 と、思わずツッコミを入れたくなる例文が満載なのは、現地の小説を問題文として落とし込んだと思われるマイナーなワークブック特有のあるある。


 以前、なんとなく本屋で立ち読みした『一週間であなたも伊達男!!イタリア語完全マスターブック(音声CD付)』で、壮絶な恋愛劇を繰り広げた挙句、浮気性なピザ職人の彼氏を彼女が麺棒で撲殺した後に運河で入水自殺するというカタルシスに衝撃を受けたことのある啓次を持ってしても、そのドイツ語問題集の尖り具合は相当なものだった。


 ……まぁ、そのおかげで随分と集中して語学習得の勉強ができたわけなのだが。


 「……Ich sehe nur dich.イヒ ゼエ ヌア ディッヒ


 啓次は小声でそう呟いてみる。

 

 

 ―― 私はあなたしか見えない



 発音も正確ならば、込められた情感もたっぷり。


 もしも、この場にアルベルタなりクララなりエルゼなりと生粋のドイツ人女性がいたとしたら、彼の想いが余さず届いて頬を可愛らしく染めたりしたのかもしれない。


 しかし、その部屋には塚原啓次という生粋の日本人にして当代一のヘタレ男しかいない。


 そして、熱烈な愛を囁いてみたその当人こそが、その一途な言葉に誰よりも一番、懐疑的であった。



 あなたしか見えない……そんな言葉を啓次は口が裂けても言えない。



 何せ彼の目と心は、絶賛、二人の女性の間で揺れに揺れ動いている。


 図らずも同居生活がもう一か月以上になる初恋相手、巡莉。


 予期せず再会を果たしてしまった初恋になれなかった恋の相手、沙希。


 二年と少し前、姉貴分との別離をキッカケにどうにか自分の気持ちを定めようとアレコレ苦心してきた啓次ではあったが、実際のところ、あの夏祭りの夜から彼の恋心の在り方は何も変わってはいなかった。


 いや、正確には変化したことはしたのだろう。


 突如として二人きりで暮らすことになり、精神的にも物理的にも距離が縮まってしまった義姉・巡莉への想いは、純情も劣情も含めて明らかに深まり。


 会えない時間の中で着々と膨れ、そしてしばらく振りに会って軽くお茶をした短い時間の中で爆発した姉貴分・沙希への想いは、懐かしさと安心感を込めて明確に加速した。



 ―― ……巡莉さんとサキ姉……やっぱり二人とも好きなんだよなぁ…… ――



 時折、優しさに裏付けられた男らしさを見せては幼馴染やら兄嫁やらをキュンキュンさせてしまう塚原啓次。


 ただ基本、『時折』という言葉を必ず頭に付けなくてはいけないほど、優柔不断なヘタレがデフォルト仕様な塚原啓次。


 沙希との約束と言うにはあまりにも淡くて頼りない未来への先送りを、それでも守らなければと懸命に努力した結果……。


 「うううう……どうしよう……」


 結局、これといった結論を出せないままに、一人悶え苦しむのがこの男であった。



 「……何がどうしようなんですか?」


 ピト……


 「ひゃわん!!」


 机の上で頭を抱えていた首筋から唐突に走った冷たい刺激に、啓次は思わず裏返った声を上げる。


 「あらあら、そんな女の子みたいに驚いちゃって、うふふふふ♡」

 

 振り返った啓次の目の前には、彼の不純にして純粋な恋心を奪った一翼たる彼女。


 塚原巡莉の実に楽し気で悪戯っぽい微笑みが視界いっぱいに広がっていた。


 「め、めぐ……ね、義姉さん……」


 「はい、お姉ちゃんですよぉ♡」


 ニッコリとした笑いを向けられるのはいつものこと。

 その度にドキリとしてしまうこともいつも通り。


 そして、彼女の近すぎる距離感にいつまでも慣れずに啓次がまごついてしまうのもまた、いつもの塚原家の日常風景だった。


 「休日だというのにお勉強、お疲れ様です。はい、どうぞ。レモンティーです。これを飲んで一息ついてください」


 「あ、えっと、ありがとう、ございます。……いただきます」

 

 巡莉が差し出したグラスを半ば反射的に受け取った啓次は、そのままグビリとその薄い琥珀色の液体をあおる。


 最初に感じたのは何よりも冷たさ。


 その次に感じたのはフワリと口内に広がる上品な柑橘系の香。


 舌を刺激したのは仄かな苦みと、それと共存するかのように控えめな優しい甘み。


 ストレートでもミルクでもなければ、甘過ぎず渋過ぎずといった絶妙な塩梅に調整された砂糖の加減。


 どれをとっても文句のつけようがない、百パーセント彼の好みに則した理想的なアイスティーが、勉強で消耗した啓次の脳と体に染み込んでいく。

 

 「お茶請けにクッキーもどうぞ。焼きたてから少し時間が空きましたから、味も丁度なじんでいるかと思います」


 「じゃぁ、いただきます」


 「あ、そのままリラックスしていてくださいね。……うーん、少し肩が張っていますね。そーれ、もみもみ、もみもみ……お姉ちゃんがもみもみして解してあげますねぇ……」


 「…………」


 まさに至れり尽くせり。


 そろそろ一服入れようかというところでティータイムへとしゃれ込ませるタイミング。


 啓次の味覚傾向を的確に把握した紅茶やクッキー。


 勉強疲れを途端に解きほぐしていく肩揉み技術の秀逸さ。


 ……そして。


「もみもみ、もみもみ、もーみもみ♡(ムニュムニュ)……」


「……ううう……」


 他意はないのだと必死に理性へと言い聞かせる啓次の心を知ってか知らずか、たわわな両乳房を彼の背中でムニムニと潰しながら、耳元で蠱惑的に『もみもみ』と囁き続ける巡莉の姿。


 啓次は、もはや兄嫁だとか家族だとかを通り越し、優秀過ぎるメイドに色々な意味で丁寧なご奉仕を受けているのではないかと錯覚しそうになる。


「もみもみ、もみも、んん♡……もみもみ、んんん♡……」


 そう、他意はない。

 他意などあるわけがない。


 「んん♡……も、みん♡……も、みもんんんん♡♡」


 肩を揉む指先が妙にネットリとしたものになってきてなどいないし、


 歌でも唄うみたいに『もみもみ』言う声のところどころが艶めいてなどいない。


 「んん♡……はぁ……んんん♡……」


 背中を圧迫していただけの乳房の動きが円を描いたり力に強弱がついたりもしていなければ、


 本来はブラジャーで覆われているはずだというのにヤケにハッキリと硬質な乳首な感触が伝わってくるような気がすることなんてあり得るわけがない。


 「はぁ……はぁ♡……啓次……さ……」


 「も、もう大丈夫ですっ!!」


 「あら……」


 ガバリと身を起こし、巡莉の両肩を押さえて背中から引きはがす啓次。


 まだ五月も初めだというのに、既に初夏の気配が感じられる蒸し暑い都会の夕刻。


 地元にいた頃よりも早い時期に薄着になっていた啓次ではあるが、たった今どうにか切り離した柔らくて熱い体温が失われたことで、得も言われぬ肌寒さを感じてしまった。


 「……うふふ」


 少し驚いたように目を見開いたのも束の間、巡莉は何事も無かったかのように無邪気な笑みを浮かべる。


 「……えっと……あ、ありがとうございます。随分、楽になりました」

 

 「どういたしまして。でも、無理はいけませんよ、啓次さん?試験はもう少し先なのでしょう?」


 「そう、なんですけどね……」


 「今からあまり根を詰めても息切れするだけ。いざ本番という時に十全な実力を発揮できなければ元も子もありません」

 

 「さすが、ついこの前まで現役だった人の言葉。身に沁みます……」

 

 「現役女子大生から遠ざかった年増のお小言はうるさいですか?」


 「え?な、何を!!そんな巡莉さんを年増だなんて思うわけないじゃないですか!!……貴女は同級生の女の子と比べても若くて綺麗で可愛くて……って、あ……」


 「あらあら、嬉しいことを言ってくれますね♡うふふふふ……」


 「ううう……」


 耳まで真っ赤にして赤面する啓次。

 それを見て微笑む巡莉。


 こんなやり取りがもう一か月以上も続いているのだが、彼も彼女も、どちらも慣れることもなければ飽きるような兆しもまるでない。


 「それはそうと啓次さん。そろそろお夕飯の準備をしようと思うのですが、何かリクエストはありますか?」


 「ああ、えっと……何でもいい……は困るんですよね、こういう時」


 「ちっちっち。甘いですよ啓次さん」


 優柔不断なりに人並みの気遣いはできる啓次の言葉に、巡莉は演技がかった調子で人差し指を一本伸ばして揺らす。


 私に限っていえば、そんなことはありません。『お姉ちゃんの作る料理なら何でも楽しみなんだぜ!!』と言ってくれたのだと好意的にとらえてホクホクしちゃいますから、私」


 「……さすが義姉さんです」


 「では和食と中華とイタリアン、この三択ならどうでしょう?」


 「あーそうですね……じゃあ、中華でお願いします」


 「了解です♡」


 ピシリと敬礼する巡莉。

 

 その仕草のなんとあざとく、なんと可愛らしいことか……。


 「…………」


 思わず息を飲む啓次に、もう一つ巡莉はにこやかな笑みを投げてから踵を返し、部屋を出ていこうとする。


 prrrrr……prrrrr……


 そんな二人の甘々なやり取りに割り込むような、無粋な電子音が鳴る。


 ベッドの上に放り投げていた啓次のスマホだ。


 「電話?誰だろ……って、げっ!!」


 「……啓次さん?」


 ディスプレイに表示された発信者の名前を見るや否や、驚くやら戸惑うやら嬉しいやら、なんとも一言では形容し難い声をあげた啓次の声に、部屋を出かけていた巡莉が立ち止まる。


 prrrrr……prrrrr……


 「…………」


 「…………」


 コール音が鳴り響く中、液晶画面を睨んだまま応答しようとしない啓次。


 その啓次の、さきほどの声と同様に複雑な表情を浮かべている顔をジッと見つめる巡莉。


 二人はそれぞれの思惑というか感情のままに無言となる。


 「……すぅ、はぁ……よしっ!!」


 やがて意を決したとばかりに、たかだか電話に出るだけだとはおよそ思えない気合いを入れながら、啓次は液晶画面をタップする。


 「あ、もしも……え!?あ、いや、ちょっと、手が離せな、あ、うん、はい、はい、すいません……」


 しかし、そんな気合いは、おそらく発信者が開口一番に告げたであろう、『出るのが遅い!!』といった旨の一喝によってあえなく霧散してしまったようだ。


 「はい、はい……え?まだだけど……え!?い、今から!?ま、まぁ、確かにまだ夕方だけれど……うん、たぶん、ここからならニ十分くらいかな……でも、そんな急に、いや、うん、別に用事もバイトもない……だ、だけど、せっかくこれから夕飯……え?うん、それはまだみたいだけ……や、ちょ、だからって、え?え!?ちょっ、さきっ、まっ……」


 「…………」


 話の内容こそ聞こえてはこなかったが、それでも啓次の受け答えと表情、力なく耳から離されたスマホのスピーカーから漏れる『ツーツー』という電子音に、巡莉は大体の事情を察することができた。


 「……お出かけですか、啓次さん?」


 優しく、巡莉は問いかける。


 「はい……まことに不本意ながら、そうなってしまいました」


 弱々しく、啓次は問いに答える。


 「ごめんなさい、義姉さん。夕ご飯、一緒に食べれそうにありません……」


 「いえいえ、お気になさらず」


 そうして微笑む巡莉に、本当に気にした様子はない。


 「早いもので啓次さんと暮らすようになって一か月と少し。そういった外でのお付き合いがあまりなかったのを心配していましたが、どうやら私の杞憂だったみたいですね。……大学のお友達ですか?それともアルバイト先での交流?」


 「いえ……そういうのとは、ちょっと……」


 「……もしかして、よくないオトモダチですか?」


 「ね、義姉さん??」


 巡莉は変わらず微笑みを絶やさない。


 しかし、その『オトモダチ』と発音した時の声に、これまでの人生で人の口から一度も聞いたことがないような冷え冷えとした不穏な何かが含まれており、思わず啓次は目を見張る。


 「もしも……いいえ、いいえ、そんなことはないとは思いますが……もしも、もしも、啓次さんをイジメたり虐げたり、優しさに付け込んで騙したりかどわかしたりして啓次さんをヒドい目に合わせようという不遜な輩であった場合、私の全身全霊全人生を賭けてでも追い詰め、泣いても謝っても縋り付いて許しを乞うたとこで遅いのだと突き放し、それはそれは凄惨な最期を……(ブツブツ)」


 「ストップ!!ストップです、義姉さん!!」


 何がスイッチになったのかよくわからないが、突如として垣間見てしまった初恋の人の暗黒面に盛大に戸惑いつつ、それでも啓次は巡莉の肩を掴んで陽の光の元に彼女を引きずり戻す。


 「……あら、啓次さん。……私が何か?うふふふふ……」


 「あ、安心してください!!ぼ、僕、別にイジメとか弱みを握られて脅されてるとか、もーホント、何にもないですから!!」


 「イジメられてる子は心配かけまいとみんなそーゆーんです……家族には知られないようにと自分の内に抱えこんでやがて取り返しがつかなくなるんです……その声にならない声やサインを家族は汲み取らなくてはいけないってお昼のワイドショーで教育評論家の方が言っていました」


 「た、確かにイジメ問題解決にはそういった家族の努力が必要不可欠ですし、僕が抱え込みがちなのは自覚していますけれど……これはっ!!この呼び出しに一切そういったネガティブな要素はありません!!……まぁ、こっちの都合も聞かずに無理矢理で無茶苦茶ではありますが(ボソッ)……」


 「……やはり、ここはお姉ちゃんである私が出張って啓次さんを困らせる諸悪の根源をこの手で……うふふふふ……」


 「あ、姉ですっ!!」


 「……はい?」


 なんだか持っていないハズの出刃包丁でも構えているような幻覚が見えてきそうなほど不吉に笑う巡莉に対して、啓次は叫んだ。


 「さ、サキ姉……正確には年上の幼馴染で結城沙希っていう人なんですけど、昔から僕の姉貴分みたいなところがあって、それで、ついこの前、偶然に再会してから連絡先を交換して……あっちは僕と違って立派な社会人で、時間が取れたら今度ゆっくりご飯を食べようって約束してて、それで、なんというか、ぼ、僕も会いたいっていうか、久しぶりにちゃんと話をしたいというか、話をしなければならないというか……」


 「……姉……?」


 「え、ええ、姉、サキ姉です。なんかいつの間にか『お姉ちゃん』と呼ばせられるようになって、でも本当の姉のように世話になっていて、今日みたいに色々と振り回してくるんですけど、それもまた懐かしいなって思ったりしちゃったりし……ってヤバい!!時間ないっ!!」


 「……姉……」


 沙希が待ち合わせに指定した時間がタイト過ぎるというのもあったが、何故か一生懸命に巡莉に向かってアレコレと弁解しなければと焦るうちに時間は差し迫っていた。


 「っつ!!と、とにかくごめんなさい、義姉さん!!帰りはたぶん遅くなりますんで、いつもみたいに待たずに先に休んでいてください!!あ、鍵をかけることはもちろんですが、ちゃんとチェーンロックをかけて、見知らぬ人が訪ねてきても絶対に家に入れたらダメですからねっ!!……あ、それじゃ、僕が帰ってきても入れない……ああ、もういいや!!と、とにかく、ごめんなさい!!いってきますぅぅぅ!!!!」


 「…………」


 急いで慌てている割に、一人残していく大事な人のことを気遣う発言をするあたりが塚原啓次の優しさであるが、当の彼の想い人たる兄嫁は、走り去る啓次を無言のまま見送る。



 バタン……



 少しくぐもった調子で聞こえてきたのは、玄関のドアが閉まる音。


 それを巡莉は、啓次の部屋の中から耳にする。


 義理の弟が置いていった心配や注意の言葉など知らず、施錠することもチェーンをかけることもせずに。


「……サキ姉……姉貴分……」


 ただ、主のいなくなった部屋……読書家である義理の弟のジャンルを問わず豊富な小説群がさしこまれた書棚の中にあって、一際、異彩を放っている一画に目を向ける。


 「……サキ姉……サキ姉……お姉ちゃん……」


 装丁はシンプル。

 しかし、どれも押し並べて重厚。


 背表紙のタイトルを見ただけで中身が小難しいものというのがわかり、


 そのくせ、見た誰もがそこに書かれた内容の系統が簡単に理解できてしまう本。


 「…………」


 そのうちの一冊を、巡莉はおもむろに取り出す。


 『眼疾患における薬学的アプローチの可能性』


 「……進路……勉強……そういうことですか、啓次さん……」



 ニタリ……



 「……貴方のお姉ちゃんは私一人だけということを分からせないといけませんかね……」



 ―― ねぇ?……愛しい愛しい、弟くん? ――


 その彼女の呟きを聞いた者は、誰もいない。


 そう……誰一人。


 ついに彼女が、彼女を彼女たらしめる核心的な何かを漏らしたのを聞いた者は、


 残念ながら、あるいは幸いなことに……


 誰も、いなかった。

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