笑って泣いてほっこりして、読むのが楽しい物語

とにかく楽しい!
これに尽きます。
今回の物語、作者さんの持ち味がぎっしり凝縮されております。

折角なのでこの物語の土台でもある焼き鳥にたとえてみましょう。

厳選された鶏肉のような、しっかりとした味わいのある人情味。
これをピッと一本の串に刺してゆく、構成という名の技量。
絶妙な加減で振り掛けられるコメディという名のスパイス。
それらをじっくりと炭火で焼上げるような、熟練の楽しい語り口。

こうして生み出された物語、とにかく楽しいです。
タイトルにも書きましたが、笑って泣いてほっこりして。
居心地のいい店でおいしい料理をゆっくり楽しんでいるような感覚です。

さらに付け加えると作者の持ち味であるキャラクター造詣の妙。
いわゆる変な人たちも多いのですが、主人公をはじめとした美人姉妹、一本気なお父さん、薬局のお姉さん、みんなみんな愛すべきキャラクターに昇華されています。

読んでいると、どうも焼き鳥屋さんに行きたくなるのが曲者ですがそれもご愛嬌。
とにかくまずは一杯、ではなく一羽目、ではなく一話目を読んでみてください!

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