第2話

目を覚ますと昨日のことが夢のように感じた。だが僕の気持ちは重く沈んでいた。やはり夢だと思い込むことは無理だったようだ。誰かと顔を合わせるのが気まずいと感じた僕は二度寝をするためにもう一度ベッドに潜り込んだ。

もう一度目を覚ます。時間は正午だった。この時間は家に僕以外誰もいないのでゆっくりと部屋からでる。

リビングに行くと母さんが作ってくれたであろうご飯がラップされていた。僕はそれを温めながらこれからどうしようかと考えた。おそらく僕はいままでのように振る舞うことはできないだろう。きっとどこかでぎこちなくなってしまう。

昼食を食べると僕はアルバムを探すことにした。僕の本当の親のことがちょっとでもわかればいいなくらいの気持ちだった。

やがて僕は父さんの部屋でアルバムを見つけた。そこに写っていたのは赤ん坊の僕を抱えて幸せそうに笑う男女二人の姿だった。男のほうは父さんとよく似ていたが女のほうは見覚えもなかった。

「これが僕の本当の親・・?」

それよりも気になったのは男と父さんが似ていることだった。

さらにアルバムをめくるともう一つ気が付いた。それは僕の母親と思わしき女性の写真はすべて目を瞑っているものだった。

「なんでちゃんとした写真はないんだろ」

アルバムの半分程をめくったところでもう写真は終わっていた。ほかのアルバムを見ても他に僕の実の両親が写っている写真は無かった。

捜索を続けていると不意にガチャリと玄関の扉が開く音がした。

「ただいま」

続けて響き渡る父さんの声。部屋から急いで出ると、部屋を出た先に父さんがいた。

「お、おかえり・・」

ぎこちなくそう言うと父さんは特に表情も変えずに言った。

「アルバムでも見てたか?」

ぎくりとした僕は何も言えずに固まっていた。父さんはフッと笑った。

「昨日の話の続きをしよう。いやだったら来なくていい、気が向いたらリビングに来い」

「わかった。気が向いたら行くよ」

そう言って父さんはリビングに、僕は自室に向かった。

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