良作。一気読みに盆休みを全部費やした。

チートスキルを得た主人公が異世界で現代知識無双する作品・・・ではない!
ありふれ過ぎたそれ系の作品とは一線を画す。
300話を超えてもいまだ主人公は一般的な中学生の域を出ない。
だが、それがいい。
自分が中学生だった頃を思いだす程、親近感すら覚える普通の主人公。同級生の友がいて部活をして勉強しろ!と親に言われて・・・恋愛にも疎く女子と友達以上の接し方が分かってないのも、なんというか。「らしい」

異世界の流れに翻弄されてつつも、バラバラの時代に飛ばされた「同級生達」の残した軌跡や情報を集めつつ帰る方法を探す物語。
政争や謀略の渦中に放り込まれながら、頼りになる仲間達と「自分なりに」乗り越えてゆっくり成長していく。そんな物語。

この作者は「確実」に「終わり」を意識してる。というか、書き始める段階でエンディングの形が確定してるんだろう。迷いが無い。
正直、序盤は読みづらい。ゆっくりと「主人公」に見えてる範囲だけで話が進むからだろう。故にある程度読み進めないと食いつかない。
だからレビューでどう勧めるべきか悩むんだけど、とりあえず主人公が旅を始めるまでは頑張って読もう。中盤以降は怒涛の勢いだけど序盤は致し方ないけど弱いので・・・
人気が出ようが出まいが、作者は終わりまで書いてくる。そんな予感はある。期待してる。