第6話 約束、再び

彼のメールは謝罪の文だった。


人見知りで緊張していたこと。

待ち合わせをすっぽかしてしまうような形になってしまったこと。


そして…次の文章で思わず声を出して驚いてしまう。


「え!?」


──離れた席で、どんな人なんだろうって見ているのが精一杯でした──


ちょっと待て。冷静になれ、よく考えろ。

離れた席で…見ているのが?

俺を見てた?


──あの店に来ていたのか!


さすがに店内に居た客のすべてを覚えているわけもなく、学生からおじいさんまで思い出せるだけでも多すぎて見当もつかない。


そんなことを考えていると、彼からのメールが2通あることに気づいた。

そこには、今度は必ずちゃんと待ち合わせしたいという彼の希望が込められていた。


俺は、少しだけ考えて返信のメールを送る。


「今度こそ、あの喫茶店のあの席で」





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