密室!?

「何故鍵を掛け…」


 俺が質問を言い終わる前に。


「えい!☆」


 彼女は窓から何かを投げ捨てました。


 小さくてタグが付いていて…西日に反射してキラキラキラっと光りながら宙に舞いながら…そして視界から消えて…。


 質問は変わり。俺は恐る恐る。


「えっと…今…何を投げ捨てたんですか?」


「この部屋の鍵だよ♪」


 「!!」


 (可笑しな子とは家に初めて来た時から思っていたが、何密室完成させてくれてんの?出られないじゃない。怖い!怖い!!密室殺人事件でも起こす気ですか?排気口から毒蛇とかにゅるっと出て来ませんよね?)


「ドキドキする?」


「…ただ。ただ。怖いだけですよっ!」


「くすっ可愛♪」


彼女ははにかんだ。その可愛い仕草も通常状態なら萌えるのだろうが、思考の理解出来ない人間の歪んだ行動は、恐怖でしかない。


「どうするんです?出られないですよっ!窓から大声だして助けを求めるしか…」


「そんな事したら先生にキミに襲われそうになったって言うから…」


「え?え…ぇ……」


「慌てた顔も可愛い♪」


(話にならないな…顔が冷たくなって来た…今俺顔面蒼白だと思う…)


「ここから出してあげない…」


「え…ええっ!?」


「私がしたい事ってこういう事なの♪」


(はぁ?意味が分からな過ぎて…怖いよぉ)


「私がコウちゃんの事こんなにも愛しく想っているのに….。 私の事…。忘れている罰だよ」


 急に目のハイライトが無くなり真顔になる、上敷領かみしきりょう アイナ。


「私をよーく見て!私の事思い出すまで帰さないから…」


(補習の居残りより地獄なんですが…)


「お…朧気には覚えては。保育園でお世話してくれたお姉ちゃんですよね?」


(感謝する!野球バカ坊主!俺の幼なじみ兼外部HDDよ)


 彼女は、近づく。目の前に彼女の顔が。腰を折り僕の顔の表情を探るように覗き込む。


(この人のパーソナルスペースどうなってるの?近い近い!)


「そうだよ。思い出した?」


「う…うん…」


 この場から早く立ち去りたい一身で嘘をつきました。はっきりと彼女だという確信はない。


彼女は、ニッコリ笑うと。


「ようやく思い出してくれたんだね。分かった」


「帰っていいですか?」


「だーめ!」


「えぇ………」


彼女は手を会わせると。


「今日はゲームをしましょう!久しぶりに再開したお祝いを兼ねた親好を深めるイベントだよ」


「イベントですか?」


(親交は薄まりました。監禁の間違いでしょ?誰かー先生!おとなの人!助けてぇ!)









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