海辺の少女と革命を!!!

夜月 祈

第1話 青年は悩む・・・確かに悩む

 朝日が眩しく、 静かに揺蕩う波を照らし、

その反射の輝きが何とも言えない程美しい。

行ったり来たりする波の音が辺りに響くたびに

波風と共に耳の中に心地よい感覚を与えてくれる。

そんな幸福感を与えてくれる環境の中、布団の上で一人の男性は酷く絶望していた。


 —―はぁああああ。 何でこんなことになったかぁ。

俺は、 いつも通り旅行して楽しい思い出を作り普通に夏を満喫するつもりだったんだけどなぁ。 はぁああああ。


 「そんな深いため息ついてたら幸せが逃げちゃうよ? 」

 「・・・うおぉっ! い、 いつからそこに!? 」

 「筒城さんがセンチメンタルに耽っていた辺りからです 」

 「あー、 俺がセンチ・・・ ってほとんど最初じゃん! 」

 「ハイッ! あ、 朝ごはん出来たので早く降りてきてくださいね! じゃ! 」


 そう言い残して少女は勢いよく階段を下りて行った。

姿が見えなくなると筒城はより一層深いため息を零した。

たった今、 彼に声をかけに来た少女こそ彼が頭から火が出そうな程の悩みを抱える原因を作った張本人だったのだ。


 —―しかし何であんな平然といつも通りをやっていけてるんだろうか。


 青年は暫く考えたが、頭が回らなくなってきたため、

ご飯を食べに少女の跡を追いかけ階段を降りた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る